10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/19(木) 00:31:59.93 ID:9mtCTMIXo
「変わったよ、ホータローは。千反田さんのおかげさ」
うっ、と短い声が漏れた。その声が聞こえたのか、里志はしてやったりの笑顔を浮かべた。
「そりゃ、『あいつ』と一緒にいればだな……」
俺が言い終える前に、里志が俺の顔を指差した。鼻の頭に当たる勢いだ。まじまじと里志の指先を見つめる。
「どうした」
「だめだよ。せっかく付き合ってるんだから、いつまでも千反田さんのことを『あいつ』だとか、『こいつ』で呼んじゃ」
うっ。
胸が締めつけられたような気がした。まさかそのことを指摘されるとは。
交際を始めてから、俺は未だに千反田のことを名前で呼んだことがない。さすがにもう苗字では呼んでいないが、名前で呼ぶのはなんだかむず痒くて気恥ずかしい思いがするのだ。
顔が熱くなるのを感じた。
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