22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/28(土) 21:21:48.82 ID:6yNG6GaDo
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「……」
かつて、足繁く通っていたその場所は強く鮮明に残る記憶と何一つ変わっていない。
鼻孔を擽る匂いは懐かしさを感じさせ、それはこの3年間の記憶が霞むほどに強烈に入り込んでいた。
「よう。久しぶり」
男はコクリと頷く。
相変わらず口は開かないし、無表情なままだが、背丈は伸びたようで、以前は同じだった目線も今では見上げるほどに成長していた。
逆に店の店主は見た目の上では何一つ変わらない。
ただ、何が変わろうとも、その接し方からよそよそしさも、ぎこちなさも見受けられる事は無く、久方ぶりにも関わらず2人の関係は以前と変わってないようだ。
「その荷物……駅からそのまま来たのか?」
手には大きめボストンバッグを持ち、背にはギッシリと詰まったリュックを背負っていた。
そのためか、背丈は以前より高くなっているものの華奢なままの体には幾分辛いものがあるのだろうか、体勢を辛うじて保とうとはしているのだけど、ふらふらと立つ事すらおぼつかない。
そんな事情も含めて、そして、積りにつもったものとは別にこれからする話は立談で済ませられるものではないだろうと思案し、その旨を伝えた。
「あー……まぁ、ここじゃなんだし……居間に行くか」
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