過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
1- 20
329: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:17:16.06 ID:up4q12Iyo
「でも、これで3度目だよ!?もうそんな言葉、信じられないにゃ!」
実は、LIVEバトルで負けるのは今日が初めてではない。
俺の担当するアイドル、前川みくはこれで初のLIVEバトル参加から3回連続で敗北を喫していた。
だからと言ってみくに素質がないかというとそうではなく、むしろ才能があるからこそ今の状況に身を置くことになっている。

以下略



330: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:17:46.88 ID:up4q12Iyo
「悪りぃ……全部俺の責任だ」
そんな有望株の担当を任されているというのに、俺はみくの実力を引き出せないどころか腐らせてしまっている。
俺がもっとしっかりしていればみくはもっと伸び伸びと活動をして、その才能を開花させているだろう。

「……いや、悪いのはみくだにゃ。ヤマチャンはみくのために頑張ってくれてるのに……」
以下略



331: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:18:20.13 ID:up4q12Iyo
高校時代、地元でも有名な不良として名が通っていた俺が今こんな仕事をしているのには理由がある。
清村緒乃。こいつと関わったことで、俺の人生は大きく分岐することになった。
とある日、とある事件が切っ掛けで奴に関わってから今までロクな出来事がない。

それまで舎弟のような立場だったエイ太とボブは俺から離れていくし、
以下略



332: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:18:46.76 ID:up4q12Iyo
こんな俺でも雇ってくれるところはないかと就職口を探していた矢先、街中を歩いていると見知らぬオッサンに声を掛けられた。
話の内容は、アイドルのプロデューサーをやってみないかというもの。
仕事を探そうと思っていただけあって渡りに船な内容だった。
出来るかどうかはともかくやってみようと考えた俺はその話を承諾し、芸能界という世界に足を踏み入れることになる。

以下略



333: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:19:56.28 ID:up4q12Iyo
混雑する道路を走り、ようやく会場から戻った俺達は事務所にある談話室へと向かう。
移動中、今回の結果をいち早く知った他のアイドル達がみくに対し慰めの言葉を投げかけてきた。
俺はそれに対し、苛立ちを隠せずにいる。

何故なら、こいつらはみくがLIVEバトルで結果を残せなかったことを内心で喜んでいる。
以下略



334: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:20:22.63 ID:up4q12Iyo
「次、LIVEバトルに負けたら俺はこの事務所を辞める」
俺は今、みくと対面する形で椅子に腰を掛けている。
この談話室なら誰の邪魔も入らない。話をするには最適な場所だった。

「……ヤマチャンもみくを見捨てるの?」
以下略



335: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:20:48.94 ID:up4q12Iyo
「でも、ヤマチャンが居なかったらみくはひとりぼっちになっちゃうよ……」

「それはちゃんと考えてある。安心しろ」
この事務所は腐っているが、全ての人間がそういうわけではない。
まともな奴は少ないながらも居る。俺はそいつに、みくのことを任せるつもりだった。
以下略



336: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:21:15.28 ID:up4q12Iyo
あれから数日が経った。
仕事が一息ついた俺は様子を見に、みくが練習しているレッスン場へと足を運ぶ。

「調子はどうだ?」

以下略



337: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:22:05.33 ID:up4q12Iyo
「そりゃ頼もしいな。試合はいつでも大丈夫なのか?」

「うん、いつでもいけるにゃ!」
とはいえ、次のLIVEバトルをどこの誰とやるかはまだ考えていなかった。
前の試合での心の整理にもう少し時間がかかるかと思っていたが、蓋を開けてみればこの好調。
以下略



338: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:22:49.92 ID:up4q12Iyo
「うん!準備するからちょっと待ってて!」

「ああ」
みくの着替えを待つ間、何処に行くかを考える。
ひとりなら安い牛丼や定食などで適当に済ませるが、さすがにアイドルを連れてそんな場所に入るのは気が引ける。
以下略



339: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:23:22.52 ID:up4q12Iyo
そして、辺りを見渡しながら歩いているとその存在に気が付いてしまった。

「あいつは……!」
忘れもしないその姿。あの頃と何も変わっていない銀髪にピアスの男。
そいつが見知らぬ子供とサッカーをして遊んでいた。
以下略



560Res/232.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice