過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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332: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:18:46.76 ID:up4q12Iyo
こんな俺でも雇ってくれるところはないかと就職口を探していた矢先、街中を歩いていると見知らぬオッサンに声を掛けられた。
話の内容は、アイドルのプロデューサーをやってみないかというもの。
仕事を探そうと思っていただけあって渡りに船な内容だった。
出来るかどうかはともかくやってみようと考えた俺はその話を承諾し、芸能界という世界に足を踏み入れることになる。
333: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:19:56.28 ID:up4q12Iyo
混雑する道路を走り、ようやく会場から戻った俺達は事務所にある談話室へと向かう。
移動中、今回の結果をいち早く知った他のアイドル達がみくに対し慰めの言葉を投げかけてきた。
俺はそれに対し、苛立ちを隠せずにいる。
何故なら、こいつらはみくがLIVEバトルで結果を残せなかったことを内心で喜んでいる。
334: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:20:22.63 ID:up4q12Iyo
「次、LIVEバトルに負けたら俺はこの事務所を辞める」
俺は今、みくと対面する形で椅子に腰を掛けている。
この談話室なら誰の邪魔も入らない。話をするには最適な場所だった。
「……ヤマチャンもみくを見捨てるの?」
335: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:20:48.94 ID:up4q12Iyo
「でも、ヤマチャンが居なかったらみくはひとりぼっちになっちゃうよ……」
「それはちゃんと考えてある。安心しろ」
この事務所は腐っているが、全ての人間がそういうわけではない。
まともな奴は少ないながらも居る。俺はそいつに、みくのことを任せるつもりだった。
336: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:21:15.28 ID:up4q12Iyo
あれから数日が経った。
仕事が一息ついた俺は様子を見に、みくが練習しているレッスン場へと足を運ぶ。
「調子はどうだ?」
337: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:22:05.33 ID:up4q12Iyo
「そりゃ頼もしいな。試合はいつでも大丈夫なのか?」
「うん、いつでもいけるにゃ!」
とはいえ、次のLIVEバトルをどこの誰とやるかはまだ考えていなかった。
前の試合での心の整理にもう少し時間がかかるかと思っていたが、蓋を開けてみればこの好調。
338: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:22:49.92 ID:up4q12Iyo
「うん!準備するからちょっと待ってて!」
「ああ」
みくの着替えを待つ間、何処に行くかを考える。
ひとりなら安い牛丼や定食などで適当に済ませるが、さすがにアイドルを連れてそんな場所に入るのは気が引ける。
339: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:23:22.52 ID:up4q12Iyo
そして、辺りを見渡しながら歩いているとその存在に気が付いてしまった。
「あいつは……!」
忘れもしないその姿。あの頃と何も変わっていない銀髪にピアスの男。
そいつが見知らぬ子供とサッカーをして遊んでいた。
340: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:24:07.87 ID:up4q12Iyo
「あ、ヤマチャン!急に走ったりしたら……!」
「はうっ!?」
みくの忠告も虚しく、最近ずっと運動不足だった俺はちょっと走っただけで足を挫いてしまった。
バランスを崩した俺は、転がるように奴らの間に割って入った。
341: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/06/01(日) 00:24:56.72 ID:up4q12Iyo
「ちょっと、ヤマチャン大丈夫!?」
「大丈夫……じゃねーけど大丈夫だ」
俺は挫いた足を庇いながら起き上がり、痛みに耐える。
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