過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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388: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:07:05.19 ID:OnSiUSMuo
「清村、大丈夫か!?傷は浅いぞ!」
「心配するんだったらまず俺の上から降りろ……!」
倒れてきた機材の上に立つ杉小路を振り落とすように、俺は立ち上がった。
ああ、今日はホント厄日だな……
389: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:07:38.38 ID:OnSiUSMuo
「どうやら大丈夫そうだね」
「みたいだな」
遠目で確認したところ、目立った怪我はなさそうだ。あれなら心配いらないだろ。
にしても、結構な規模の事故だけに野次馬も集まってきてるしさっさとずらかった方がいいかもな。
390: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:08:06.98 ID:OnSiUSMuo
「それより、さっきは突き飛ばしちまって悪かったな。怪我はないか?」
「はい、大丈夫です」
「ま、一応病院行っとけよ。病院代くらいここの奴らが出してくれんだろ」
391: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:08:35.87 ID:OnSiUSMuo
「じゃあ俺は帰るぜ。行くぞ、杉小路」
「はいはい、わかったよ」
「あの、タマちゃんを助けて頂いてありがとうございました!」
392: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:09:10.52 ID:OnSiUSMuo
それから少し離れた場所で俺たちはまた、暇を持て余していた。
さっきは杉小路の提案で特撮の見学をしていたが、それが終わればやることがなくなるのはまた必然。
あまりにもやることがなかったからか、無意識のうちに道行く女を目で追っていることに気が付く。
「あ、もしもし警察ですか?女性を付け狙う不審な男が……」
393: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:09:36.82 ID:OnSiUSMuo
「……もう帰ろうぜ」
職業柄というか洗脳教育のせいというか、こうやってるとさっきみたいなことの繰り返しになっちまう。
だいたい折角の休みだってのにスカウトごっこなんかしてられねーよ。
まあ正直、さっきのタマちゃんとか言われてたのは連れが居なかったらスカウトしてたかもしれないが……。
394: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:10:03.64 ID:OnSiUSMuo
「あっ、見つけたぞお兄さん!」
不意に、後ろから声を掛けられた。
「あ?なんだ?」
振り返ってみると、見た目小学生くらいの子供がそこに立っていた。
395: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:10:38.42 ID:OnSiUSMuo
「そうやって飾らずに人助け出来るのもヒーローっぽい!くーっ、カッコいいな!」
なんか、変な奴に絡まれてしまったようだ。
適当にあしらいたいところだが、相手は女だし何より子供。
下手を打てば本当に不審者として通報されちまうかもしれん。
396: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:11:12.52 ID:OnSiUSMuo
「そもそも、なんでヒーローに憧れてんだ?」
喉が乾いてたこともあって休憩がてらその辺にあった喫茶店に連れて入り、ふと思った疑問をぶつけてみる。
さっきのロケ地でも女は多かったが、それはいかにも俳優目当てという感じでこの少女のようなタイプではなかった。
「みんな笑顔のために頑張って、夢や希望を与えてくれるヒーローってすっごくカッコいいじゃないか!」
397: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/07/31(木) 20:11:38.66 ID:OnSiUSMuo
それを目の前の悩める少女にどうやって当たり障りなく伝えられるか、頭を抱えたくなるくらい難しい問題に直面した。
いや、別に夢を壊すような真似をする必要はないな。
みんなに笑顔と夢を与える方法とそれが出来る人間、俺はそれを知っている。
「じゃあ、アイドルでも目指してみたらどうだ?」
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