49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/29(日) 18:55:14.54 ID:yF05ZdXHo
正直暗くてほとんど見えたもんじゃなかったけれど、海は確かに小さく開けた浜にあった。
月のかすかな光を反射して、いくつもの波がテトラポッドの集まりに押し寄せていた。
結構高い波だ。油断すると弾けた飛沫がこちらにまで飛んでくる。
ぼくは呆然としたような気分でそれを見ていた。
右を見るとシナノもぽかんとした顔をしていて、その向こうで川が海に流れ込んでいるのだけれど、
波が強くてむしろ海が川に流れ込んでいるように見えた。
波は周期的なようでいて、微妙に狂った間隔で打ちつける。
沖のほうからゆるりとやってきて、岸に近づくとゆっくりと鎌首をもたげてぐわりと覆いかぶさってくる。
「こりゃ水遊びなんてできたもんじゃないな」
当然のことをセミが笑いながら呟いていた。
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