1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/23(月) 17:16:25.24 ID:PayVsvLV0
「旦那様!」
「何だ」
「お嬢様がテレビに出ております!」
「何だと?見に行く」
我が愛娘が芸能界デビューしてからと言う物、使用人達がこぞってテレビの前に集まるようになった。
仕事が片付いてれば文句も言わないし、娘が若い衆にもかわいがられていると言う事実は、実に喜ばしい。
が、同時に雪歩の身を案じる私の心は気が気ではないと言うのもまた事実だ。
そう、まるで百合の花の様な可憐で、美しく、そして可愛らしい我が娘。
心配にならない方がおかしい。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/23(月) 17:17:21.50 ID:PayVsvLV0
『きょ、今日は都内にあるカフェにお邪魔してます、ここのオススメは、毎日ご主人が手作りされると言う自家製ロールケーキだそうです。こんにちはぁ』
「いいなぁ、雪歩お嬢さん可愛いなぁ」
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2013/12/23(月) 17:17:51.77 ID:PayVsvLV0
私の妻とほぼ同い年の家政婦も、同じような表情だ。
「いやぁ、お嬢さんがこうしてテレビに出るなんて、なぁ」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:18:20.41 ID:PayVsvLV0
「…私だ。今日は…何?延期…そうか、それならば仕方なかろう。うむ、では…」
私は、萩原建設の社長だ。曽祖父の代から続く会社は、大型商業施設から道路工事まで、幅広く手がけている。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:18:47.02 ID:PayVsvLV0
「…こんなこともあったな…」
二歳か三歳の頃の写真か。
私に抱き上げられている雪歩は、泣きじゃくっている。
それを、隣で妻が笑ってみている。
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2013/12/23(月) 17:19:26.49 ID:PayVsvLV0
体に似合わない、大きなランドセル。
黄色い通学帽に白いワンピース姿の雪歩。
進級していくごとに、ランドセルは小さくなり、そして、中学生の制服を着た卒業式。
中学へと進み、高校の卒業式。
そのたびに、年甲斐も無く涙を流し、妻に笑われたな…
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2013/12/23(月) 17:19:52.64 ID:PayVsvLV0
「…」
アルバムの写真、一枚一枚の思い出を振り返っていると、いつの間にか部屋は薄暗くなぅていた。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:20:23.25 ID:PayVsvLV0
既に食堂には妻と娘、住み込みの家政婦、それと…
「あ、雪歩のお父さん、はじめまして、菊地真と言います」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:26:47.09 ID:PayVsvLV0
「あら、照れちゃって、年甲斐もありませんこと」
「…食べるか」
「はい」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:29:56.98 ID:PayVsvLV0
食事を終えて、今度は居間で寛ぐ。
妻と雪歩の話を聞きながら、食後の茶を啜る。
妻と雪歩と菊地君は、相変わらず話に花が咲いているようだ。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:30:34.71 ID:PayVsvLV0
「…ヒック」
健康に気を使い、最近は控えていた酒だが、久々に飲むと何とも心地よいものだ。
妻と娘とその友人に囲まれての晩酌というのも乙なものである。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:31:19.64 ID:PayVsvLV0
「…」
「…雪歩、少し席を外しましょう」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:32:00.78 ID:PayVsvLV0
「で、でも、その、雪歩自身も、そのことを気にしてて、それを変えたいと言って、765プロでアイドルを始めたじゃないですか…」
「…」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:32:30.85 ID:PayVsvLV0
「…雪歩の事…好きです…大好きです!ひた向きに頑張ってる雪歩のことが…好きです」
菊地君の目を見て、私は分かった。
この子は、本当に雪歩のことを好いていてくれるのだと。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:33:09.15 ID:PayVsvLV0
「…雪歩を…頼む…」
「お、お父さん?」
涙が止まらなかった。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:34:23.02 ID:PayVsvLV0
「…ん?」
「あら、起きられましたか?おはようございます」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:34:55.10 ID:PayVsvLV0
風呂から上がると、既に朝食の用意が整っていた。
テレビには、朝のニュース番組の特集コーナーで笑顔を見せる雪歩が居た。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:36:00.67 ID:PayVsvLV0
雪歩のお父さんってどんな人だろうと思いながら書いたらこうなってあらら。
菊地の地を池ってやっちまった、穴掘って埋まってきます。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/23(月) 17:37:17.19 ID:eIofC/zDO
乙女の真が可哀想…やはり雪歩父は糞だな。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/23(月) 17:38:46.57 ID:p0gijBT+o
おつおつ、お父さん公認だね
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/23(月) 17:39:03.07 ID:uFNZiZDxo
>>18
ブラジルまでいってら
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