5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:18:47.02 ID:PayVsvLV0
 「…こんなこともあったな…」 
  
 二歳か三歳の頃の写真か。 
 私に抱き上げられている雪歩は、泣きじゃくっている。 
 それを、隣で妻が笑ってみている。 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:19:26.49 ID:PayVsvLV0
 体に似合わない、大きなランドセル。 
 黄色い通学帽に白いワンピース姿の雪歩。 
 進級していくごとに、ランドセルは小さくなり、そして、中学生の制服を着た卒業式。 
 中学へと進み、高校の卒業式。 
 そのたびに、年甲斐も無く涙を流し、妻に笑われたな… 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:19:52.64 ID:PayVsvLV0
  
 「…」 
  
 アルバムの写真、一枚一枚の思い出を振り返っていると、いつの間にか部屋は薄暗くなぅていた。 
  
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:20:23.25 ID:PayVsvLV0
  
 既に食堂には妻と娘、住み込みの家政婦、それと… 
  
 「あ、雪歩のお父さん、はじめまして、菊地真と言います」 
  
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:26:47.09 ID:PayVsvLV0
 「あら、照れちゃって、年甲斐もありませんこと」 
  
 「…食べるか」 
  
 「はい」 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:29:56.98 ID:PayVsvLV0
 食事を終えて、今度は居間で寛ぐ。 
 妻と雪歩の話を聞きながら、食後の茶を啜る。 
 妻と雪歩と菊地君は、相変わらず話に花が咲いているようだ。 
  
  
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:30:34.71 ID:PayVsvLV0
  
 「…ヒック」 
  
 健康に気を使い、最近は控えていた酒だが、久々に飲むと何とも心地よいものだ。 
 妻と娘とその友人に囲まれての晩酌というのも乙なものである。 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:31:19.64 ID:PayVsvLV0
  
 「…」 
  
 「…雪歩、少し席を外しましょう」 
  
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:32:00.78 ID:PayVsvLV0
  
 「で、でも、その、雪歩自身も、そのことを気にしてて、それを変えたいと言って、765プロでアイドルを始めたじゃないですか…」 
  
 「…」 
  
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/23(月) 17:32:30.85 ID:PayVsvLV0
  
 「…雪歩の事…好きです…大好きです!ひた向きに頑張ってる雪歩のことが…好きです」 
  
 菊地君の目を見て、私は分かった。 
 この子は、本当に雪歩のことを好いていてくれるのだと。 
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