過去ログ - 「巨乳になるサプリ!?」
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14: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:54:10.79 ID:9UmUzo2DO
 ──とは言うものの、何やらイケナイ事をしている気分になってきた。効果のほどを知るにはこれくらいで充分だろう。

「いや、もう終わりにしよう」

「えー……」
以下略



15: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:56:35.38 ID:9UmUzo2DO
「じゃあお兄ちゃん、これから毎日このサプリ飲んでねっ」

「やだよ! 女の子と良い雰囲気になったら困るじゃないか」

「……それってこのサプリの売り文句に使えると思わない?」
以下略



16: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 00:59:01.83 ID:9UmUzo2DO
「そういうもんか?」

「そういうもんなの。潔白なら飲みなさいって事だね」

 有無を言わさない、押しの強い意見だった。
以下略



17: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:01:39.86 ID:9UmUzo2DO
 俺が営業や販売のアイデアをいくつか考えて友人のところへ持って行くと、じゃあ自前の会社作っていろいろ売り込んでみようか、という話になった。

「面白そうじゃないか。効果は確かなんだから、当たればデカいぞ」

「当面の資金繰りはどうする?」
以下略



18: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:03:05.93 ID:9UmUzo2DO
 発売当初はジョークグッズの一種と見られて目立たない存在だった。
 ところが、動画サイトでサプリの使用効果をアップロードしはじめる人間が現れると、インターネットニュース界隈で話題となった。
 そしてタブロイド誌や写真週刊紙が追随して特集を組み始め、テレビのワイドショーで取り上げられるまでになると、販売数が伸びて小売店でも品薄になっていった。

「社長、巨乳サプリの在庫の問い合わせが後を絶たないぞ」
以下略



19: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:04:27.92 ID:9UmUzo2DO
 メディアの格好の話題になると、様々な議論を呼び起こした。主に倫理的な面からが多かった。
 男はパートナーの女性に肉体を変化させてまで従わなければいけないのか、男性へのセクハラ・モラハラ対策は、いやそもそも自然の摂理に反しているetc……。

「万全だ。各種団体や報道機関への根回しは済んでいる」

以下略



20: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:06:44.62 ID:9UmUzo2DO
「お兄ちゃん、お帰りなさい。今日の晩御飯は酢豚だよ」

 今日も美少女が俺の帰りを待っていてくれた。まあ弟なんだけど。
 弟は居間でインターネットを閲覧していた様だ。

以下略



21: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:10:01.03 ID:9UmUzo2DO
「うん、大きさ良し、形良し、硬さ良し、今日も良いオッパイだ」

「うん……」

 両手で丹念に揉みながらバストチェックをした。
以下略



22: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:16:36.43 ID:9UmUzo2DO
「お兄ちゃん、サプリの売上の方はどう?」

 酢豚の豚肉を噛みしめながら返事をする。

「うん、報道やゴシップ記事で叩かれたりもするけど、売上事態は好調だぞ」
以下略



23: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:20:11.65 ID:9UmUzo2DO
「社長、おはようオッパイ」

「副社長、ナイスオッパイ」

 出会い頭に最近流行りの挨拶を交わし、社長である友人と打ち合わせを始めた。ちなみに俺は、業績好調の立役者として最近副社長に昇進した。
以下略



24: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:22:53.61 ID:9UmUzo2DO
「広報活動はどうだい?」

「最近、巨乳男性への痴漢やセクハラが問題になっている。新設される政府の有識者会議へ派遣する人材を選択中だ」

「うん。男の巨乳は、男性の自由と個性だからね。民主主義社会に於いて何人にも妨げられることがあってはいけない」
以下略



25: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:26:05.39 ID:9UmUzo2DO
「あ、お兄ちゃんお帰りなさい」

 副社長室に戻ると、ストライプのスーツに黒ストッキング姿の美少女が俺を待っていた。

「会社では副社長と呼べ。広報部長」
以下略



26: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:29:52.55 ID:9UmUzo2DO
「うん、上手くいってるみたいだね。良かったあ」

 屈託の無い笑顔を向けてくる。今日は薄化粧で、エクステンションでロングにした髪をアップにしていた。どう見ても清楚な美少女だった。

「……でね、今日は、し、新商品の提案があるんだ」
以下略



27: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:35:43.62 ID:9UmUzo2DO
「うん、しっかり肩や背中から肉が集まって詰まってるな」

「あん、もっと……裏地とかも見てえ……」

 めくって良く見ようとブラのホックを外すと、目の前の巨乳は、少し大きいくらいのいつものバストに戻ってしまった。
以下略



28: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:41:16.72 ID:9UmUzo2DO
「はあ!?」

 慌てて胸から顔を離した。弟は力の籠った眼差しをこちらに向けている。

「お前、男が好きとかじゃないんだろ?」
以下略



29: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:46:10.26 ID:9UmUzo2DO
「しかし、俺は……」

 上目遣いの弟は、潤いを湛えたままの目で、懇願するかのようにまくし立ててきた。

「お兄ちゃんを毎朝起こして、三食用意してあげられて、お兄ちゃん好みの中華料理が作れて、洗濯掃除を欠かさずできて、シャツやハンカチには必ずアイロンかけてあげられて……」
以下略



30: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:52:37.36 ID:9UmUzo2DO
 やがて男性巨乳サプリブームに端を発する巨乳化男性向け商材は、驚異的な広がりを見せる。
 メンズブラ、女装、男の娘、BL、男性同士の恋愛etcは、日本発のhentaiカルチャーとして重要な輸出コンテンツとなっていった。
「日本始まったな」という驚きの目で見られた全く新しい価値観は、やがて世界に浸透。先進国や人権に理解のある国家には、必ず巨乳サプリが販売されているという。

 ──しかし、日本の輸出総額に男性巨乳コンテンツが大きな割合が占める用になった頃、国内では深刻な少子化が凄まじい勢いで進んでいた。
以下略



31: ◆mfj2eJ7y7c[saga]
2013/12/25(水) 01:56:03.05 ID:9UmUzo2DO
以上で完結です

ご覧いただき、ありがとうございました


32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/25(水) 07:58:48.54 ID:wzylCtvA0
文章書くの上手いな



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/25(水) 22:48:28.98 ID:GGYmPHsv0



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/26(木) 09:35:37.25 ID:SlqUS4Beo
狂っていく世界観すきです


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