過去ログ - シャルラッハロート「・・・お兄ちゃん?」
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◆1aLDLrIdDo
[sage]
2014/02/15(土) 23:17:08.71 ID:U5Wso9iM0
少女の耳に声が届く。
しかし男性の物と思しき低音は、目の前のアイマスクの男からの物ではなく、別の場所から響いていた。そう。
汚泥?「実ニスバラシイ。瑞々シイ肉体、頑強ナ身体・・・益々欲シクナッタゾ娘・・・」
汚泥が、単語を一つ一つ紡ぐ度にポコポコとあぶくが吹き上がり。
突如、それが逆再生さながらに収縮と伸縮を繰り返し・・・やがて。
汚泥と入れ替わるかのように、アイマスクの男の身体がカクンと折れた。
だが倒れ伏しはしない。
代わりにその全身に纏わり付くように、それは最初から服では無かった。
・・・影だ。
男の"影"が、まるで釣り糸のように男の身体を支えている。
出来の悪い人形劇を見ているようだった。
その姿は最早"影"という一言では片付ける事は出来ない。
黒一色でありながら肉体の形は人間そのもの。
しかし背中から自身の身体を覆うような形で伸びるは翼。
頭部には通常の生物のソレとはとても思えない鋭角の角。
真っ黒な平面から斜めにつり上がる様な・・・血の様に真っ赤な瞳。
その目が爛々とした輝きを以って少女を捕らえていた。
恍惚としたように時折赤い光が細まる。
そのさまは長年求めていたおもちゃを手に入れようとする子供のような純粋さと。
・・・空腹に耐えかねた末の獲物を、どう食せば良いのか決めかねている爬虫類さながらの残酷さが見え隠れする。
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