過去ログ - シャルラッハロート「・・・お兄ちゃん?」
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63: ◆1aLDLrIdDo
2013/12/28(土) 15:21:31.98 ID:szTaSTXa0



アクセル「ほんで?―――お壌ちゃんの、お名前は?」

シャル「シャル―――ラッハ、ロート・・・」

アクセル「シャル、か・・・良い名前だねぇ、キュートよキュート」


あれから、どうにか泣いている少女を宥めすかしてドクターは無害であり怖くない存在である事を幾度となく説明した上で、少女とアクセルは互いの意思疎通を図っていた。(ファウストは立ち上がると少女を脅えさせてしまうので壁際にしゃがんでいる)
幸いな事に少女の瞳には生気が宿っており、工場内部で見せた不安定さは鳴りを潜めていた。
しかし。


アクセル「んで、俺と会った時の事、覚えてる・・・?」

シャル「・・・・・・」フルフル

アクセル「んじゃ、住んでた場所とか、覚えてる・・・?

シャル「・・・・・・」フルフル


記憶の欠落は相変わらずのようで、彼が何を尋ねても可愛らしいツインテールが宙を舞うのみだった。、


アクセル「で、俺の事何だって・・・?」

シャル「・・・お兄ちゃん」

アクセル「・・・・・・」


だが唯一、彼女がハッキリと答えられる部分があった。
それは、自らの姓名と、アクセルが彼女にとっての"お兄ちゃん"になっているという摩訶不思議な物で。
無論ながら、アクセルは一人っ子というか親の顔すら知らない身であり、目の前の少女との血縁なぞ有り得なかった。
しかも、彼女とは殺し合いまでしている。


ファウスト「口を挟むようで恐縮ですが、恐らく彼女は記憶を失う寸前の出来事が僅かながら残っていたのだと思われます。そして、まっさらな状態でアクセル君のことを見た瞬間、雛鳥の刷り込み宜しく・・・」


ドクターの説明は飽くまでも仮説ではあったが、アクセルにとって大分思い当たる節があり。


アクセル「俺を保護者だと認識しちまったってワケね・・・な〜る・・・」

アクセル「あのな、シャルっつったっけ・・・俺はね、別にお前さんのお兄ちゃんじゃない赤の他人・・・」


それならばと、少女を諭すようにゆっくりと説明しようとして。


シャル「―――ジワッ」

アクセル「う”っ・・・」


断念した。
女好きを自称する自分としては女性の、しかも年端も行かぬ少女の涙は実にノーサンキューだ。




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