過去ログ - シャルラッハロート「・・・お兄ちゃん?」
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70: ◆1aLDLrIdDo
2013/12/28(土) 23:28:27.35 ID:szTaSTXa0


シャル「―――、」

アクセル「・・・もういい」


男は抱きしめる事で無理矢理封じた。

そんなアクセルの行動に、シャルはどうして良いのか解らずに硬直してしまう。


アクセル「もう、いいんだ。止めろよ」

シャル「―――、」


逃げ出そうとした訳ではない。
ただ、男の温もりが、その言葉が、あんまりにもむず痒くて。


アクセル「―――シャル。俺様は、お前さんの、何だ?」


どこまでも優しい口調で男が問うた。


シャル「―――、」


それは、解る。真っ白になってしまった自分の世界に残っているのは、名前と、目の前の男・・・


シャル「―――お・・・兄ちゃん」


その言葉を零した瞬間、どうしてだろう。
先刻まで心に沈殿していた澱が溶けて行くような気がして。


アクセル「正〜解。回答者には・・・ほれ、ご褒美だ」


徐に抱きしめられていた顔を離され、代わりに目の前に差し出されたのはまだ湯気が出ている・・・白くて丸い物体。
鼻先にまで近づけられた、程よく蒸された皮の香りは、空腹には堪えられない物で。
腹の鈍痛は若干残ってるものの、また空腹が呼び起こされ―――けれども今度は、目の前に"兄"の顔。


アクセル「腹が痛むか?・・・だったら一口だけでもいい。食ってみな」

シャル「―――、」


その声に促されるままに。


シャル「―――はむ」


目の前の丸い物体を食した。


シャル「むぐむぐ・・・・・・―――!!!」


口内に広がる、皮の独特の旨みと中身の餡から染み出る肉汁と、微塵切りにされた各種野菜の甘みの洪水は、シャルの胃袋に別な側面でのパンチを炸裂させた。
意図せず彼女は、アクセルから差し出された白くて丸い・・・中華まんをひったくる様にして受け取って。


シャル「―――!!」


とんでもない事をしてしまったと、真っ青になる彼女を、しかし男は咎めずに。


アクセル「そいつぁお前さんのだ。誰も取らねえから、ゆっくり食いな」

シャル「―――、」




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