過去ログ - 一方通行「痴女ファッションと垣根帝督と俺」 -SS速報VIP

過去ログ - 一方通行「痴女ファッションと垣根帝督と俺」

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95: ◆wIGwbeMIJg[saga]
2013/12/28(土) 22:55:16.15 ID:/LDo4J010
そんなオティヌスの葛藤の間に、無情にも世界は動いていた。
一方通行が、致命的な一歩を踏み出す。

「コイツをどうこうしようっつゥなら容赦はしねェ。粉微塵コース直行だ」

「君は、オティヌスという個体を守ろうとしているのか？」

「悪いか」

「いいや。面白い」

その男は笑っていた。
本当に楽しんでいるのか、怒っているのか、悲しんでいるのか、はたまた憐れんでいるのか。
彼以外の何者も、その表情の意味を理解する事など出来なかった。

「だが無駄な事だ。私が手を下さなくても、世界が彼女の存在を許容しない。じきに様々な刺客が現れるだろう」

「何にも分かっちゃいねェようだな、オマエ」

うんざりした調子で、一方通行は息を吐く。

「この俺が、その程度の悪意を御しきれねェとでも思ってンのか？」

虚勢でも何でも無い。
一方通行は本気で、悪意という悪意全てから、オティヌスという少女を守る気でいる。

この程度、彼の渡り歩いてきた数ある死地と比べればなんて事もないものだ。
今更世界を敵に回した程度で、彼にとっては大した意味を持たない。
百が百一に増えたぐらいの話。
だから、絶対の自信だけを秘めて言い放つ。

「世界だろうが何だろうがかかって来い。そンな陳腐な闇が蔓延っていやがる限り、俺は何度でも現れる」

それはアレイスター＝クロウリーという代表を通しての宣告だった。
一方通行という怪物が、再び闇の世界へ君臨した事を示す布告だった。
玉座に座る王としてではなく。
今度は、闇を駆逐する悪鬼羅刹として。

「そうか。ならば精々足掻くといい。闇は深いぞ、君の思うよりな」

それだけ残して、アレイスター＝クロウリーは空気に溶けるように消失した。

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