過去ログ - 一方通行「痴女ファッションと垣根帝督と俺」 -SS速報VIP

過去ログ - 一方通行「痴女ファッションと垣根帝督と俺」

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94: ◆wIGwbeMIJg[saga]
2013/12/28(土) 22:50:05.04 ID:oGPGuJ5E0
不可視の力は一方通行に触れた瞬間『反射』された。
にも関わらず、アレイスター＝クロウリーには傷の一つも見られない。

「驚いたな。………歓迎するよ、私の『第一候補』」

「オマエのモンになった覚えはねェ」

「覚えはなくてもなっていたのさ。最初からな」

「………そォか、オマエが統括理事長か……予想通りクソッタレな面構えをしていやがる」

対峙。
それだけで、場を満たす空気の質が変化するのをオティヌスは感じていた。

確かにこれはオティヌスの望んだ展開だ。
でも同時に、オティヌスが最も恐れた展開でもある。
はっきり言って無謀だ。
このまま事が進めば、まず間違いなく一方通行は負ける。
流石にアレイスター＝クロウリーにとっても重要な意味を持つであろう『第一候補』を自らの手で壊すような真似をするとは思えない。
それでも、一方通行は少なからず傷つく事になる。
それだけは避けたかった。

誰かを守る為に。
一度は見失った、オティヌスの信念。
今、一方通行をどこか遠くへ飛ばしてしまえば、彼の安全は確保できる。
それが最善手。

なのに。
どうしても、オティヌスにはそれが出来なかった。
心のどこかで期待してしまっていた。
一方通行が、このまま自分を守りきってくれるという、そんな甘い幻想を抱いてしまっていた。
その幻想を自分の手で壊す事に、言い知れぬ戸惑いを覚えるのだ。

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