過去ログ - とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)3
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835: ◆A0cfz0tVgA[saga sage]
2015/03/02(月) 00:27:26.78 ID:ZjxzuhUC0

ロータス「――――!?」バッ!



自分の足下から杭の先端が顔を出しているのを視認したロータスは、反射的にその場から後退する。
その直後、先ほどまで立っていた場所から屈強な男の足よりも太い白木の杭が勢いよくそそり立った。



ロータス「……っ!」



早鐘のように鼓動する心臓を手で抑えながら、目の前を垂直に立つ柱を見る。
もし少しでも判断が遅れていたら、自分は百舌鳥の早贄のようにその場で串刺しになっていただろう。


今用いられた魔術は、スカーレット家も用いる代表的なものの一つ。
『串刺し公 ヴラド・ドラクリヤ』が行った凶行、『敵軍の捕虜を一人残らず生きたまま串刺しにした』という説話を元とした魔術。


ヴラドは己の権力を誇示するために自分に仇なした者に対し、
農民貴族問わず、最も卑しい刑とされる『串刺しの刑』を執行した。
彼の残虐性はそれに留まらず、中央集権化を目指すために自国の有力貴族を騙し討ちで殺害し、
周辺の列強国であるオスマン帝国から使者が来訪した際は、自分の前で帽子を取らなかった使者に対し、
自ら釘を使って使者の頭と帽子を打ち付けたと言われている。


自身の意にそぐわぬ者には徹底的な裁きを与えるという、矯激なまでの独善。
彼の思想を組み込んだその魔術は、術者に敵対する人間を無慈悲に排除する聖槍となる。




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