過去ログ - ゆみ「まんまんワイフの毛根蒻畑」 マンゲファイアー
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13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/01(水) 01:46:11.14 ID:RmRQPXRPo
 
ギィギィと、ロッキングチェアーが揺れる。

研究者として築いた財で改築された大豪邸。

その庭いっぱいに広がる畑を眺め、家主である老人が揺られている。

これが映画のラスト・シーンなら、彼女の視線の先には、元気に畑を駆ける孫娘でも居ることだろう。

しかし現実の老人は独身であり、子供すらいない。

それどころか、ずっと恋人すら居ない孤独な人生を送っていた。

それでも老人の顔は、愛しい人を見つめるような眼差しをしている。

先述の映画で例えるなら、今しがた昔の武勇伝を聞かせたばかりの孫を見つめるかのような眼差し。

退役した英雄という点では、老人は映画の主人公たる資格を得ていると言えるだろう。

だが決して、老人は自分をそのような存在だとは言わないだろう。

老人にとって、ノーベル賞を取ることも、『かつて失ったもの』を取り戻すための過程にすぎないのだ。

何かを得たり、生み出したり、守りぬくような主人公では決してないと、老人は思っていた。


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