3: ◆mPuxYQgGBE
2014/01/03(金) 15:58:10.90 ID:ErC4ieVr0
……そこには、猫。
真っ黒けっけで、毛並みの良さそうな、猫。
………。
……猫?
女「えっと……」
猫「『猫が喋ってる!』なんてお決まりの台詞は言うなよ。今まで散々言われた台詞だからな」
女「あの……わたしに、何のご用で……?」
猫「何かご用ぅ?お前さんな、俺が最初にかけた言葉が何だか覚えてねえのか」
女「えと……確か、『お困りかい、お嬢ちゃん』って……」
猫「そうだよ。なんだ、覚えてるんじゃねえか」
そう言って猫は、私の肩に飛び乗った。不思議と重さは感じない。幽霊だからだろうか。
それから猫は、わたしの頬に自分の頬を『ぐにゅっ』とくっつけて、
「なら、俺が言った言葉の意味する事くらい……分かるよ、な」と言った。
女「じゃあ……助けてくれるの?」
猫「勿論」
そう言うと猫は普通の(つまり生きていて、人間の言葉を話さない)猫ならば絶対にしない、とてもとても人間じみた笑みを浮かべた。
それも『クスクス』や『ニコニコ』ではなく、『ニタニタ』と。
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