18: ◆3mkWmPxrCM
2014/01/05(日) 01:43:33.77 ID:1ZvTk5Aw0
苗木「こんにちは、江ノ島さん」
江ノ島「んっ? 苗木……? なんか随分……」
苗木「パレード、最近激しくなってきてるよね」
江ノ島「え? あ、うん。いきなり?」
苗木「彼らは自分たちが希望になれないことに絶望している。何者でもない自分に絶望して、その絶望を世界のせいにしている、まさに絶望的な存在だよ」
江ノ島「えっと、苗木……?」
苗木「希望なんて抱くから絶望するんだ。そのくせ絶望の中に希望を求めずにはいられない」
苗木「希望から絶望、絶望から希望、繰り返すうちに壊れていく姿って、絶望的だと思わない?」
江ノ島「あ、あのさ、苗木、ちょっといきなりすぎてついていけないっていうか」
苗木「そうかな? 話は簡単なんだよ。ゲームをしよう。絶望的な希望のゲームを」
苗木「既に負けかけているボクの絶望的な抵抗だよ。江ノ島さんが世界で遊ぶついで、ちょっとした遊び方の提案なんだよ」
苗木「絶望しかかった世界にとどめを刺す、『最後の希望』のコロシアイ。カムクライズルの虐殺とは違うよ。うらやましくてねたましい人間を殺してしまえるのは普通だからね」
苗木「希望と絶望は落差なんだ。今のボクは誰かとコロシアイをしても絶望が小さい。でも、例えば入学時点のボクなら誰かとのコロシアイなんて絶望的だし、それがもし『記憶をなくしているだけで』『ともに仲良く過ごした仲間たちとの』コロシアイだったりしたら、それはきっと『世界が終わってしまうことよりも』絶望的だと思うんだよ」
江ノ島「苗木さ、誰かから何か聞いたかな? 例えば――お姉ちゃんからとか」
苗木「それは違うよ!」
苗木「狛枝クンからだよ。それに多分本当は知っているんだろうけれど、ボクは記憶を逃がしていた江ノ島さんにもあっているんだよ。『幸運にも』、ね?」
江ノ島「苗木さ、何考えてるの?」
苗木「前に進むことだよ。絆を取り戻すという、より大きな希望を望んでいるんだよ」
苗木「そのためには江ノ島さん、キミを倒さなくちゃいけない。桑田クンをたきつけたり、セレスさんに豪華客船のギャンブルを教えたり、ボクを孤独へ誘導して遊んでいた江ノ島さんに。ボクがギリギリで希望を持っていられる今のうちにね」
苗木「ボクにとっては最大の勝負。江ノ島さんにとっては絶望の余興。賭けるものも手に入るものもね。さあ、江ノ島さん。ボクと勝負してくれるよね」
江ノ島「そーんな苗木きゅんの一世一代の大勝負をガンスルー決めちゃうともーっと絶望的?」
苗木「そうでもないかな? 得るものも失うものも無いだけだからね。正直迷ってもいるからね。みんなが生きていられる確率が、上がるのか下がるのかもわからないし」
苗木「でもね、江ノ島さん。ここで逃げるような絶望なら、ボクは『失望』するよ。その程度だっていうんなら、狛枝クンたちはともかくボクは、希望も絶望も盛り上がりもポップもサイコもないままで、ただキミを排除する」
江ノ島「ふーん、ふーん、ふーん。ま、てきとーに考えておいてあげるよ。じゃーねー」
苗木「うん、またね、江ノ島さん」
苗木(こうしてキーワードはそろった。フラグも立てた。コロシアイ、失われつつある絆、記憶の制御、希望と絶望の転移、第七十八期生、希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件、超高校級の幸運、絶望を望む江ノ島盾子)
苗木(ここから始まる。どういう展開になるか、ボクには予想ができない。この先にまつ絶望を想像しただけで胸が張り裂けそうになる)
苗木(けれど、≪超高校級の幸運≫苗木誠は――誰よりも絆を望んでいるから。誰よりも絆を信じているから)
苗木「希望は前に進むんだ」
苗木(どんな絶望を支払ってでもね)
苗木「だけど、きっと大丈夫。たとえ記憶を失っても。コロシアイにも江ノ島盾子にも、負けたりなんかしない。だって――」
苗木「僕たち友達だよね?」
Chapter 0 「僕の学校のカーニバル・イヴ」END
To Be Continued...
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