過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争 02」
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51: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:46:24.18 ID:NVDGXRYwo

「……いや、もこちゃん。それは無理やよ」

 口を挟んだのは、荒川憩だった。

以下略



52: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:46:52.13 ID:NVDGXRYwo

「……一年前、あんたは余命宣告をされた。ちょうど今の時期まで、というタイムリミットが」
「うん」

 答えたのは荒川憩。
以下略



53: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:47:26.95 ID:NVDGXRYwo

「ある決心、って」
「ドナー登録だよ」

 少しだけ口を開け、溜息を吐いた。
以下略



54: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:48:31.89 ID:NVDGXRYwo

「もこちゃん。それは成り立たんよ」

 再び私の言葉を否定したのは、荒川憩だった。

以下略



55: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:48:59.12 ID:NVDGXRYwo

「勿論この一年清水谷竜華は、祈り続けたんだろう。あんたに提供できる心臓を持つドナーが現れるのを」

 確率はおよそ数千から数万分の一。
 天和を和了る確率よりは高いけれど、それでも決して高くない。
以下略



56: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:49:34.42 ID:NVDGXRYwo

「──……」
「もこちゃん、ちょっと、待って」

 一年前、清水谷竜華は一つの決心をした。
以下略



57: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:50:25.46 ID:NVDGXRYwo

「……、……どういうこと? だって、自分で自分刺して死んだんなら、自殺やんか」

 目元を拭いながら、荒川憩が見上げる。

以下略



58: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:50:52.22 ID:NVDGXRYwo

「事件当日──清水谷竜華が死亡するよりもっと前。それが事件の最初だ」
「最初?」

 タクシーの運転手は、彼女の自宅から病院へ向かっている。
以下略



59: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:51:35.69 ID:NVDGXRYwo

「……予定外な形で傷を負った清水谷竜華はきっと、こう考えた」

 このまますぐに治療を受ければ、確かに自分は助かる。
 でも、園城寺怜は助からない。
以下略



60: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:52:04.94 ID:NVDGXRYwo

「……清水谷竜華は、自殺といえるかもしれない。でもその背中を押したのは間違いなく、あんただ」

 最初の刺し傷がなければ。
 すぐに病院に彼女を連れて行けば。
以下略



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