過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争 02」
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◆cvvZKri7SI
[saga]
2014/01/08(水) 14:52:49.96 ID:NVDGXRYwo
少しだけ掠れた声で、そう言った。
「……全部その通りやんな」
「……園城寺さん」
床に座ったままだった荒川憩が、辛そうに、本当に哀しそうにそう零す。
それは自白と取れる言葉だった。
「生徒手帳は?」
「枕の下や」
手渡された生徒手帳をめくってみる。
そこには確かにドナーカードがあり、そして一滴だけ血痕がついていた。
何よりの証拠と言っていいだろう。
「……なぁ」
「なに」
目は瞑ったまま。涙だけ伝って、枕を濡らした。
「うちは、どうすればいい?」
「……知らねぇよ」
「生きる権利あるんかなぁ……」
突き詰めて言えば。
清水谷竜華の心臓が、園城寺怜に適しているかどうかは、今のところ誰も知らない。
ただ、もし適合しているのだとしたら、彼女の死亡時刻と園城寺怜の余命からして、余裕はない。
出来れば早いうちに手術をしたほうが良いだろう。
それが許されるかどうかは、ともかく。
「なぁ」
「なんや?」
「今でも私とあんた、似てると思うか?」
「きつい質問やなぁ……」
流れる涙を拭うことなく、園城寺怜が目を開いた。
視点はあまり合っていない。
タイムリミットは、もう近い。
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