過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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◆NrFF2h.q26
[saga]
2014/01/20(月) 00:55:47.93 ID:Djr8fqaVO
〜アンドロイド起動 25日目〜
上司『もしもし、定期報告お願いしますよー』
第二地球開拓センターのモニターが、不愉快な一人の男の立体映像を投影した。
俺のハゲ上司だ。
俺が応答ボタンを押すと、気に障るほどに間延びした声が聞こえてくる。
この33xx年にバーコード頭とかいう古いにもほどがある髪型の、よく言えば人当たりの良さそうな、悪く言えば強い言葉に従ってしまいそうな、小太りの男だ。
男「この定期報告いるのか?一週間に一度なんて、頻度が多すぎるんだが」
上司『なに言ってるんですか〜?上司として、ちゃんと映像で君の健康状態をみておかないとダメダメでしょう?』
男「……」イラッ
上司『あ、それより、どうです?英一くんとの生活には慣れましたか?』
男「……英一……?」
上司『ちょっと、あのコミュニケーション用アンドロイドですよ〜!英一って名前ですよ?名前で読んであげてないんですか?』
男「あぁ、そう言えば……」
上司『もうちょっと大事に英一くんを扱ってくれないと、ダメダメですよー!』
上司の口調や動きはどこか女性的だ。
俺は同性愛者ではあるが、自分が女になりたいタイプの方ではない。
このゆったりとねちっこい喋り方は気に食わないのだが、それでもやはり上司であるので下手に逆らえない。
それに目をうろうろと泳がせ、どこか小動物のような落ち着かなさを見せているこの上司だが、プロジェクトの責任者の一人だけあって、読めないところもある。
男「大体……アンタ《特別なコミュニケーション用》とか言って、セクサロイドにも取れる言い方しやがって……!しかも性格のタイプ全然違うからな!」
上司『その愚痴は定期報告で毎回聞いてますよ〜でも仕方ないんです』ショボン
男「は?」ギロリ
上司『一応あの時は好みの性格を聞きましたけど、本当は用意されてる人格があの一つしかなかったんです〜でもそれ言ったら、君、起動してくれなさそうだなぁと思って』
男「お前、今頃そんな言い訳を……今すぐ人事部に告発してやる……!」
上司『まぁまぁ。英一くんはね、超最先端なコミュニケーション用アンドロイドの試作品なんですよ。電源を入れた人間じゃないと主人と認識しないし、こうでもしないとデータが取れなかったんですよ〜』
男「データだと……?おい、まさか俺を勝手に臨床心理実験の被験者にしてるというのか」
上司『英一くんの発明者たっての希望なんですよ、被験者を君にするのは』
男「は?」
上司『ほら〜地球喪失のストレスってヤツが、500年前からずーっと蔓延ってるでしょ?もはや人類の性みたいなもんでしょ?地球から離れ、孤独を抱える人類の心のケアは急務なんですよ』
上司『人間の心の病はさらに複雑になってるし……君はね、今人類で一番孤独な環境下にいるでしょ?データとしてはとっても貴重なんですよ〜どうせセンター内の作業も監視だけだし、暇潰しがてらお手伝いしたげて下さいよ』
男「……どうせシャットダウンも出来ないしな。とはいえ最悪、AIに何もエネルギーを与えないという手もあるが」
上司『そんな……英一くんを餓死させる気ですか!?鬼ですよ!』
男「するワケないだろ……それにしても、人格のトレースとは言え、あそこまで人間の人格を再現出来るAIなど聞いたことがなかったが……試作品ということはまだ公にされてない、内密なプロジェクトなのか」
上司『んーまぁそうですね。コレってば、僕が個人的な人脈で紹介されてるプロジェクトなので。だから協力頼みますよー特別手当は付けますから』
男「お前自体はいくらで買われたんだ……?まぁいい、期待されるほどのデータは取れないだろうしな。じゃあな、ハゲ上司」
プツッ
上司「……」
上司「思ったより出まかせって言えるもんですねぇ……」
上司「……これでよかったんでしょうか」
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