過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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266: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/01/20(月) 22:15:09.99 ID:OMpwpFFo0

それは、絹恵がチームの皆と昼食を共にするため『第四練習場』へ向かっている時のことであった。

今まで一緒に昼食を食べていた姉の洋榎とは「とりあえず学校内にいる間は自分のチームと親交を深めるべきや」という意見の元、別々に食事を取ることになった。

絹恵の記憶では、今日は食堂に行くと言っていたような気がするが――まぁそれはともかく。

絹恵「(今日のお弁当、中身なんやろうな……)」ｽﾀｽﾀ

？「……ちょっと、そこの道行く眼鏡のお姉さん！」

絹恵「ん？」

自分を呼ぶ声に振り向くと、そこには一人の見知らぬスーツの男がいた。

服装、顔つき、喋り方。どれをとっても間違いなく高校生よりも老けている男性である。

絹恵「あのー、知り合い、でしたっけ……？」

？「いやいや、初対面ですよ……実は私、こういう者でして」ﾋﾟﾗ

言いながら男が手渡してきた名刺を絹恵は見る。どうやら、スポーツ用品関係の社員らしい。

絹恵「(ああ……大会が近い時期やし、こういう人も来るんやな……)」

絹恵「それで、何の用ですか？」

？「はい。実はですね、つい最近我が社で新しい部署として『健康食品課』というのが出来まして」

絹恵「はぁ」

？「それで、テスター斡旋っていうんですかね。栄養ドリンクの試供品を渡してるんですよ」

絹恵「へぇー。どんなんなんですか？」

絹恵はスーツ姿の男に興味が沸いた。

何を隠そう、絹恵を含めた愛宕家の一族は皆こういった栄養ドリンクとかスポーツドリンクとかの新商品に弱い。

それは関西人に共通して流れる血なのかもしれなかったが、まぁそんなこたぁどうでもいいだろう。

？「はい……こういうものなんですけどね」ｽｯ

スーツの男は言いながら、傍らに置いてあったケースから一つの小瓶を取り出した。

その量、100mL。所謂リポビタンでＤなアレと同じぐらいの茶色い小瓶に、同じようにラベルでデカデカと名前が書かれたシールが貼られていた。

？「この高校はもうそろそろ大会の時期ですよね。どうですか、お友達の分も含めて五本程！」

絹恵「えっ、ホンマにいいんですか？」

？「勿論！ ……あ、その代わりに飲み終わった後でいいので、コチラのシートに感想を書いてくれませんか。この……会社の名札をした者が、明日もこの辺りにいると思うので」

絹恵「分かりました！ありがとうございまーす！」

何とスーツの男は気前の良いことに、四本も彼女にくれた。

その太っ腹さに、コレは結構ええ買い物やんか――と買い物もしていない絹恵は思ったのだった。

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