過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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960: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/02/02(日) 23:54:07.60 ID:pe0hXGW+0

煌「もう一度――『魔王・ザ・ハンド』ォォォォッ！！」

勿論、そういった苦労の価値分は存在するのがこの『シュートチェイン』である。

相手が普通のゴールキーパーならば、何の苦労もなく一点をもぎ取ることができるだろう……そう、普通のゴールキーパーならば。

しかし花田煌は普通ではない。彼女は自らの体を労わるという感覚が若干欠如していたし、加えて『必殺技』も並みのものではない。

煌「ぐっ……で、え、りゃああああッッ！！」ｸﾞｸﾞｸﾞ…

だからこそ――彼女は止める。

煌は一度ならず二度も、『ゴッドファイブ』荒川憩のシュートを止めたのである。

憩「ええー、ホンマですかぁ……流石にちょっと焦りますけどぉー」

煌「……す、すばら……」

シュートが不発に終わったことに対して憩がそう言ったが、しかし焦っているのは煌もだった。

『魔王・ザ・ハンド』は強力な技であったが、しかしその分乱発は出来ない。

無理をしてでも二発が限界――つまり、今ので煌は『魔王・ザ・ハンド』を使う気力を完全に失っていた。

煌「(手が……いやいや、全身がまるで痺れたみたいになってますね……これ以上はちょっと、マズイかも……)」

怜「花田！こっちや！」

煌「――いやっ！」

自分の考えを打ち消すように、煌は思いっきりボールを怜の方へと投げた。

皆はまだ頑張っている。ここで自分が弱音を吐いてしまってどうするのだ――。

彼女はそう思い自分を鼓舞したが、しかし煌はこの時点である重要な『事実』を知らなかった……いや、厳密には集中しすぎて気づいていなかった。

怜「くそぉ、このままやと――竜華！洋榎！さっさと決めるで！」

洋榎「おう！」

竜華「うん！」

その『事実』を知っている三人は大急ぎで『ザ・フェニックス』のシュート体勢に移行するが――その瞬間。

彼女達『関西電気保安協会』が、最も恐れている事態が起こった。

主審「　」ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｨ-…

竜華「――あ」

怜「……クソッ！やられた……！」ｶﾞﾝｯ

煌「え？あれ？今の、今の笛はなんの……」

洋榎「……何を言うてるんや花田……今のはな――

　　　――試合終了の笛や。これから、PK戦に移るんやで……！！」

煌「……え？」

そう――ストライカー対キーパー、一対一の決闘。

洋榎達にとって地獄の時を知らせる笛が、鳴り響いてしまったのである――。

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