11: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 20:50:19.41 ID:dnfxQ29l0
目が覚めるといつも通り通用口から脱出する。
何度目かに寝床を借りた時に、鍵をポストに入れてくれれば勝手に出て行ってくれて良いと
女のお母さんに言われたのだった。僕は少し早起きが過ぎるらしい。
外はまだ薄暗く僕以外に目覚めていそうなのは、新聞配達員と小鳥だけのような気がする。
世界を独占している心地さえする。
僕が朝を過ごす定位置となっている公園のベンチに腰掛けて、両手に息を吹きかける。
尻尾だけが白く濁る息に、微かな冬の匂いを感じる。
握って開いて……少しだけぎこちない。
男(やっぱり、寒いなあ……)
それでもじっと僕は身を縮めながら、公園のベンチに座り続けるのだった。
68Res/39.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。