55: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 01:06:26.44 ID:x25tlFGs0
重苦しい沈黙を破るように女が口を開いた。
女「店長さんから聞いたよ。すごい久しぶりにメヌエット以外の曲を弾いたんだってね。店長さんと女の
子のために」
男「……」
女「店長さん、喜んでたよ。あいつも一歩前に進んだのかもなって。後、俺も前に進まなきゃなって」
男「……」
女「それとね、店長さんこう言ってた。男はピアニストだって。人に音楽を聴いてもらって喜ばれるのが
大好きなんだって」
男「……」
女「ねえ男。もう練習はいいんじゃない?男なら大丈夫だよ。メヌエット、聴かせてあげようよ」
男「でも……手が……」
女「そんな弱音は吐かない。何より、店長さんと女の子に失礼でしょ?演奏者がだめだって思っている演
奏で感動した馬鹿だぞって思われるんだよ?」
男「……」
女「男、大丈夫。男なら出来るよ。あたしが保証する」
男「……わかった」
女「……!よし、じゃあ今からやるよっ!」
男「ちょっと!心の準備ってもんが……!」
女「うるさいよ!誰よりも下手くそなピアニストに準備なんて要りませんっ!」
そう言って僕の手を引く女はとても嬉しそうだった。
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