59: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/18(土) 01:26:53.39 ID:x25tlFGs0
最後の一音が目の前に迫ってくる。後少し、あと少しで終わる。
……僕の手が最後の鍵盤を押さえている。これを離してしまえば、
全てが終わってしまう。どうしようもなく怖い。見捨てられてしまうのがとても怖い。
このまま離さずにいたい……。
そう思った途端、背中に衝撃を受ける。
女「男っ!!!よく頑張ったねっ!!!」
男「……はは……」
気の抜けた笑いが漏れる。本当の演奏会ならあるまじき事だ。
それでも……とてもありがたい。とてもありがたい……。
女が離れてから振り返ると、音が出ているのかわからない程度ではあったけれど、
お母さんとお父さんが拍手をしていた。
女「ほら、行きなよ」
女に促され、二人の前に立つ。
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