過去ログ - 貴音「私は、アイドル」
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12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:40:09.83 ID:wTtaWsb20

「んー、じゃあ、四条さんはねー、まず自分達のダンスを見てもらったほうが良いんじゃないかな?」
「頑張ってねー、響ー」
「んがー!違う!美希も一緒に踊るの!」
「えー」

何とも眠そうな星井美希の手を引っ張り、我那覇響はラジカセのスイッチを入れました。
流れるような動き、星井美希は少し遅れているように見えましたが、その我那覇響の動きに、私は目を奪われました。

「っと!こんな感じ!」
「響の曲はテンポが速すぎて疲れるの…」

素晴らしい動きでした、我那覇響。そう言うと、響の表情は少し暗くなりました。

「でも、まだこれをみんなの前で踊ったことが無いんだ…で、でも!いつかは、大きなステージで、大勢のファンのみんなの前で、踊るんだ!」

そういうと、今度は私の手を取ります。何をするのですか、と聞くと、八重歯の見える笑顔で、彼女はこういいました。

「貴音も、踊るんだよ!アイドルでしょ!みんなの前で、いつかはこうして踊るんだよ!」

そうですね…アイドル、というのは、そういうものですね。
私の中では、まだアイドルという存在が何をすればいいのか良く分かっていません。
ですが、これで少しは分かったような、そんな気がしました。
続いて彼女は、こうも言いました。

「あと、その我那覇響、ってフルネームで呼ぶの、止めてよ」

何故でしょうか?

「んー、何か、さ、違う気がする」

何が違うのか、と問うと、口を尖らせて、響はまた声を上げます。

「もー、そんな細かいことはいいの!とにかく!自分も貴音って呼ぶから、貴音も自分のこと、響って呼んで!」

分かりました、と頷き、私もそのダンスレッスンの輪に加わりました。
こうして、激しく体を動かして踊るという行為自体が、もしかすると初めてだったのかもしれません。
その日は、心地よい疲労感に包まれ、私は家路へと突きました。



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