過去ログ - モバP「赤色の恋心」
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9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/28(火) 22:40:59.04 ID:4dDXRU7No


 話を戻すと、やはりというべきか、俺と翠の距離感という点では変わらざるを得なかったのが事実であった。
 当時こそ翠とは付きっきりであったが、今ではやや距離をおいてのプロデュースになっていたのである。

 翠の俺に対する思いというのはあの一年の中で重々理解しているし、また俺も彼女へほぼ同様の感情を抱いているのは否定しない。
 だから出来るなら彼女のためだけに時間を使ってやりたいと思いはあるものの、現実はなかなか上手くいかないものだ。
 レッスンも仕事も大体は新人に付くことが多く、予定が被って翠を見てやれない時は慶さんやちひろさんに任せている状態であった。

 俺はプロデューサーだから、個人としての意志よりもまず社会人としての責任がある。
 今の俺の立場というのがそのように決められたものなのだから仕方ない。

 こう言うのが精一杯であった。


 しかし、だからといって彼女と疎遠でも構わないという考えは毛頭ない。

 間違えたからこそ、翠にとっての正解を貫きたい。
 勝手に誤解して勝手に判断し、結果彼女を傷つけることだけはもう絶対にしたくないのだ。

 そうした気概もあり、最近は制約を受けないプライベートの方で接触することが多くなっている。
 制約というのはあくまで先輩後輩としての優先順位である。
 仕事にしろ練習にしろ、とりわけ一人で完結させられる翠であれば、後輩を優先してしまうのは客観的に見て当然のことだからだ。

 そういう訳で、今日も本来はオフだったものの、翠の希望で俺の家に遊びに来ているのであった。
 以前であれば俺はそんな提案など即座に拒否していたのだから、大分俺も緩くなったといえよう。





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