過去ログ - 【咲―Saki―】和「咲さんから須賀君を引き剥がしたい」
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◆phFWXDIq6U
[sage saga]
2014/02/03(月) 01:05:23.15 ID:jK9D9b23o
【五十年後】
京太郎「ただいま」
和「はい。お帰りなさい」
まるで習慣のように夫からカバンを受け取りリビングへ
けれど、それも今日で終わりです
夫は今日で定年退職となり、明日からは仕事がありません
だから、私がこうして玄関で夫を出迎える事ももうないのです
和「…長らくお勤めお疲れ様でした」
京太郎「ありがとう」
それに一抹の寂しさは否定出来ません
私にとって玄関で夫を出迎える仕事は最早ルーチンワークのように組み込まれたものなのですから
夫が一国一城の主になり、子どもが巣立ち、孫が出来ても、それは決して変わりませんでした
でも、私はもうこうして夫を迎える事はなく、家でのんびりと一緒に過ごす事が出来るのです
京太郎「和もお疲れ様な。今まで支えてくれて本当にありがとう」
和「いえ…私なんて大した事はしていませんよ」
私がやっていたのは専業主婦としては当然の事です
こうして改まって感謝をされるような事はまったくしていません
それよりも家族の為にこうしてずっと働いてくれていた彼に私の方こそ感謝をしなければいけません
私は外で働いたことがないので分かりませんが、それがどれだけ大変なのかは疲れた夫の姿を見て十二分に伝わっているのですから
時に一日中寝て過ごすくらい疲れる仕事を40年も務め上げてくれた事には感謝の言葉を捧げるべきでしょう
京太郎「でも、毎朝弁当作って帰りも俺を待ってくれてる奥さんなんて俺は和くらいしか知らないよ」
和「それは…」
しかし、それは専業主婦としてごくごく当然の事です
家事と言う分野だけで養ってもらっている立場なのですからそれくらいはやっておかなければ釣り合いがとれません
それに夫だって休日などは家事を率先して手伝ってくれている訳ですから
少なくとも胸が張れるほど立派なものではないはずです
京太郎「だから…さ。これ受け取って欲しいんだけど…」
和「…え?」
これって…国内旅行のパンフレット?
しかも、いくつか付箋が挟んでありますし…これってもしかして…
京太郎「今まで一杯苦労させたからさ、ちょっと旅行しないか?」
和「…苦労なんて…」
京太郎「俺がそう思ってるんだ。迷惑じゃなかったら着いてきて欲しい」
和「…もう」
…そんな風に言われたら断れないじゃないですか
まぁ、多少、強引ではありますけれど…でも嫌じゃないですし
それに…さっきさらっと見たところ奈良の松実館に付箋が挟んでありました
自分が行きたいからじゃなく私の事を思って言い出してくれているのはそれで十分分かります
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