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2014/02/11(火) 00:17:39.64 ID:cp+wNS1+0
『前代(ぜんだい)魔王(まおう)の死』
-001-
昔々、遥か昔の出来事。
ある魔王が人間界を支配しようと沢山の魔族軍を差し向けました。
多くの人が死に、悲しみました。
その時の人間界で一番栄えている国がありました。
その国は魔王討伐の為、無謀にも魔界へ進軍したのです。
結果は全敗。なんとか逃げ帰ってきた兵も酷く怯え、二度と剣を握ることが出来ませんでした。
その国は兵が残っておらず、他国から兵を集め初めました。
貧しくも栄えても居ない国がありました。
その国は多くの聖職者がおり、希望を信じる者が集まる街でした。
その国にも徴兵が行われました。多くの物は剣を握ることに抵抗を持ち、途方に暮れる者も多かったそうです。
ある聖職者が「国のために戦う事は何も悪いことではない。今こそ神の為に戦うのだと」と言い、自ら剣を握り、魔族を立ち向かいます。
その男に続いて、戦いに向かい、多くの犠牲を出してしまいました。
魔族軍は貧しくも栄えてもいない国を狙い――
滅(ほろ)ぼしました。
栄えた国を落とせば支配できるのに、魔族は貧しくも栄えても居ない国を滅ぼしたのです。
理由は特にありません。実は余興だったのかもしれません。
魔族が魔王の命令を聞かず勝手に行った事だという噂もあります。
滅ぼされた街には昔のような賑やかさもなく、血の匂いで溢れていました。
その街に残された、最初に武器を握った勇気ある聖職者の息子が「勇者」として天界に選ばれたのです。
しかし、その勇者は神の為に戦うには多くの血を見すぎてしまった。
運命を呪い、魔王を憎み、復讐(ふくしゅう)の為に魔王を[ピーーー]。
そう、誓ってしまったのです。
七年後、勇者は四つの武器を眷属として引き連れ、魔王に一騎打ちを申し込みました。
三日三晩の戦いの末、勇者は捨て身の一撃を行い魔王に深手を追わせました。
しかし、あと少しというところで魔王の眷属が魔王を逃してしまったのです。
勇者は自分の無力さを恨み、死に際に魔法を使い来世に希望を送りました。
「来世こそ、魔王を抹[ピーーー]る」
恨み、憎しみ、怒りが混ざり合った、そんな血塗られた希望です。
これは魔族しか知らないことですがそんな魔王も勇者が死んだ後、深手の治療が間に合わず、亡くられました。
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