過去ログ - 「生き物の心と物の魂」
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8:>>1 更新再開(今回は少なめ)
2014/02/10(月) 23:49:14.61 ID:I7yl3acA0
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 「貴様……魔王の使い魔だな!?」

金髪男が僕を助けてくれた少女に問う。
いつのまにか雨が降っていて、その強い雨音に耳が痛くなる。

「だとしたら何です? 勇者」

と、少女の答えず聞き返した。
勇者――
確かに少女は金髪男をそう呼んだ。
コイツが、こんな奴が勇者だって?
それで俺が魔王? どう見てもこいつが魔王じゃねぇか!

「質問を質問で返すな!!」

金髪男が動き、赤く燃えた手刀を犬耳娘に出すが――

犬耳娘は金髪男の燃えている手首を左手で掴み、足払いをしながら右手の掌打で後ろに突き飛ばす。
雨で足場が悪い所為か、金髪男は大きく後ろに倒れこんだ。

「ぐっ……くっ、速さだけはあるみたいだな……。」

金髪男が素早く体制を立て直す。
少女の手の平は黒く、焼けただれている。そこから肉が焦げた匂いが煙と一緒出て橋下に充満する。
雨のお陰で地面から出た土の匂いが嫌な匂いを薄めている。

「おい、お前……その手……。」
「大丈夫です、主。」
「でも……くっ、何なんだよ!さっきからわけわかんねぇ!!  オレはルシファーなんかじゃねぇ!! 大体テメェ等も一体誰なんだ!」

もう我慢の限界だ。 一日に三回も死ぬような思いをしたっていうのに、誰も現状を教えてくれない。

「説明は後です。今は逃げますよ。」



そう言うと犬少女は俺を――

川に投げ込んだ――




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