46:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 23:19:27.30 ID:4W+e2BTSo
  
 床へ転がったティーカップが、弧を描いて私の足に触れた。 
 それはつい先ほどまで、お湯を入れられて温められていた。 
 熱はまだ冷めずに、伝わってくる。 
 彼女たちの、諦めきれない、忘れたくない、そんな想いの表れが、確かに。 
 いつの間にか、私の目にも涙が溢れている。 
 それは感情のままをぶつけられたことによるものではない。 
 彼女たちの、大切な人の死を諦めきれないと、また会いたいと願う心に触れたから、湧いたもの。 
  
 それを見て、やっと思い出す。 
 私の言うべきことは、きっとたった一つの単純なこと。 
 それがどれほど重くとも、私はそれを言わなければならない。 
 誤解されたままにしてしまったなら、後悔してしまうだろうから。 
  
 目元を強引に擦り、だらしなく垂れた鼻水を拭い。 
 まっすぐに彼女たちを見て、口を開く。 
  
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