55:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 23:29:04.94 ID:4W+e2BTSo
声は、出なかった。
見渡す限り、三百六十度を遮るものが何も無い、光の世界。
繋いだ手の温もりが無かったら、自分自身の輪郭すらも見失ってしまいそうだった。
「……良かった、着いたよ、みんな」
静謐を裂いて響いたまどかの声に、耳を震わせる。
はっとして目をやれば、彼女の姿はいつか見たものに変わっていた。
長く伸びて揺蕩う髪と、純白の衣装。
それが一瞬トラウマを呼び起こし、血の気が引いていく。
それを察してくれたのか、繋がれた手に力が込められて、何とか意識を保つことに成功する。
大丈夫だよ、と、言葉にせず、彼女は言っていた。
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