54:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 23:27:54.95 ID:4W+e2BTSo
  
  
 「……みんな、絶対に手、離さないでね」 
  
  
 「わたしにも、どうなっちゃうか分からない。こんなの、初めてだから」 
  
  
 頷いて、肯定の意を示す。 
 遅れて二人も、それを繰り返して、まどかは息を一つ吸い込んで。 
 目を、閉じて、開けた。 
  
 まどかの瞳の色が、変わった。 
 それを区切りに、世界が軋んで、歪んで、回る。 
 意識がぶつ切りになって、体が崩れそうになって、恐怖が全身を駆け廻るけれど。 
 それでも繋いだ手だけを必死に守る。 
 全てを成し遂げて、それでもここに帰ってくるために。 
  
 ぐるぐると視界が周り、極彩色が順番にそれらを塗りつぶし。 
 最後に全てが真っ白に光って、体が浮かび上がり昇って行くような感覚に支配されて。 
  
  
 気が付けば、何事もなかったかのように立ち尽くしていた。 
 辺り一面何もない、ただ白く輝くだけの空間に。 
  
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