過去ログ - 翠「銀紙に、微かな思いを」
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16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:19:47.56 ID:slx1J284o


 恋愛感情という存在を形として表すにはとても曖昧すぎる事は、いくつかの小説や映画で見聞きしています。
 本当にそれが好きという感情なのか、それとも擬態した何かのなのかは、本人の年齢や環境、そしてその当時の状況によって変わってくるからです。

 それは今抱いている人たちにも言えるのかもしれません。
 中には敬愛や親情からきている人だって、居ないとは思いません。

 しかし、明確な意思を持って彼に好きだと言える人も、確実にいるのです。

 もしかしたら、目の前に居るありすちゃんもその中の一人なのかもしれません。そして、私の知る人にもそれは――。

「……ふふ、やっぱり遠慮しておきます」

 渡せるなら渡したい。
 皆さんと同じ舞台に立って、アピールがしたい。

 でも、戦場に立って戦うには、私は弱すぎる。

 私が近づけば近づくほど、壊れてしまいそうな気がするのです。
 実るとか実らないとか、私個人に帰結する意味ではなく、純粋に、この世界が。

「留めておく分には、自由ですしね」
 そっと口元に手を当てて、わざとらしく微笑んだ。


 もしも渡してしまえば、この感情は恐らく加速していくのでしょう。
 現状では物足りなくなって、更に近づいていって……誰にも負けたくなくなるのです。
 義理という便利な言葉があるのに。


 ――安らかで、幸せなこの世界で争いたくない。

 その考えが、ありすちゃんの言葉に反論できない最大の原因なのでした。





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