過去ログ - 小日向美穂「失恋ビターショコラ」
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1:超短編 ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:03:17.20 ID:PtLp0orv0
「あ、あの! プロデューサーって甘い物と苦い物、どっちが好きですか?」

「? 急にどうした?」

「ちょっとしたアンケートですっ」

思い切って彼に聞いてみる。ポカンとしているけど気付いているのかな、もうすぐバレンタインだということを。

「まぁ甘いものは好きだけど……少し苦いぐらいがちょうどいいかな。これで良い?」

「……そうですか、参考になります」

「何の事かは分からないけど、参考になったならば何よりだよ。おっと、電話だ。ちょっと失礼」

やっぱり気付いていないみたいだ。ここの所忙しくて、周りに気が向かないのかな。街を歩けばそこら中がバレンタイン一色なのに。
あっ、でも知らないでいたほうが良いかも。たまには私がプロデューサーをビックリさせたいし。

それにこれは、私なりのケジメだ。この想いにちゃんとケリをつけないといけないよね。

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2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/14(金) 00:04:57.41 ID:BNC14HGto
小日向美穂(17)
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3: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:06:03.55 ID:PtLp0orv0
少し苦いぐらいがちょうど良い――。まるで私自身のことを言っているみたいだ。

「初恋はレモン味って、嘘だったなぁ」

昔からあるフレーズに愚痴を言いながら私はチョコをかき混ぜる。ほんのり苦い味に反して甘い香りが私を包み込んだ。
以下略



4: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:07:56.44 ID:PtLp0orv0
『俺、結婚するんだ』

『えっ? け、結婚? マリッジですか?』

『なぜに英語?』
以下略



5: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:09:10.01 ID:PtLp0orv0
『ありがとう、美穂』

プロデューサーは屈託のない笑顔で返してくれる。その笑い顔がまた、私が大好きな笑顔だったから、複雑な気持ちになってしまう。

恋は戦争、早いもの勝ちのバトルロイヤル。私が恋した相手は、最初から勝者の決まっていた出来レースで。半年程あたためていた仄かな恋心は、ガラスのように打ち砕かれた。
以下略



6: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:12:06.01 ID:PtLp0orv0
ふと思う。もし彼と出会ったのが私の方が先だとしたら、私がアイドルじゃなくて一人の恋する乙女だとしたら、私は彼の隣にいることが出来たのかな?

「……無理、かなぁ」

色々と想像をかきたててみたけど、たらればなんて有り得ない。
以下略



7: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:14:11.08 ID:PtLp0orv0
そもそもアイドルになれたからこそ、私は恋が出来た。

『好き好き好きあなたが好きっ』

Naked Romanceを歌うことができた。10代の女子に人気なラブソングのようだけど、歌った私の恋の末路が失恋だなんて、何とも皮肉な話だ。
以下略



8: ◆CiplHxdHi6[saga]
2014/02/14(金) 00:15:17.19 ID:PtLp0orv0
始まる前から失恋した私はビターな日々を過ごしていたけど、自分の中でもあきらめがついたのか、
それとも私の恋は最初から宝くじの一等当てるような物って分かっていたからか、案外引きずることなく立ち直ることができた。
……その過程で、幾度となく卯月ちゃんの睡眠時間が犠牲になったのは申し訳なく思っている。本当にごめんなさいっ!

『でも美穂ちゃんが立ち直ったみたいだし、よしとしようかな。ふぅわーあ……当分長電話は控えよっと、うん』
以下略



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