3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:32:56.16 ID:cdt9ilkTo
「京子はいつも結衣といっしょにいるよね」
と、京子の話し相手のクラスメートが言った。
「うん、結衣と私はマブダチだかんなー」
4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:33:27.37 ID:cdt9ilkTo
それからすぐに授業開始のチャイムが鳴って、京子とクラスメートの会話は打ち切りになったようだ。
授業が始まっても、私は上の空だった。
――夫婦、ね。
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2014/03/02(日) 17:34:20.43 ID:cdt9ilkTo
私は自分のいらだちの理由を追求することはせず、そういえば、前にもこんなことがあったなと考えた。
小学生の頃は、よくクラスの男子に夫婦みたいだってからかわれたっけ。
あのころの私は、自覚はなかったけれど、男まさりなところがあったし。
それに反して「女の子」らしかった小さいころの京子と一緒にいると、大人からもよく「男の子」と「女の子」の二人組に間違われた。
6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:34:58.04 ID:cdt9ilkTo
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2014/03/02(日) 17:35:24.64 ID:cdt9ilkTo
「今日はどうしたの」
なるべくやさしく聞こえるように、私は声をかけた。
やさしくするのは得意じゃなかった。
うまくできるかわからない。
8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:36:07.58 ID:cdt9ilkTo
京子は私の質問に答えない。
「……またいじめられた?」
私は隣に座って身体を震わせている京子をよく観察する。
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2014/03/02(日) 17:36:42.87 ID:cdt9ilkTo
「じゃあ、どうしたの? 給食、食べられなくて、先生に怒られた?」
「わたし、そんなに好き嫌いしないもん」
10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:37:34.95 ID:cdt9ilkTo
「京子、わたしたち、今日は帰ったらあかりと遊ぶ約束してたよな」
「うん……」
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2014/03/02(日) 17:38:06.28 ID:cdt9ilkTo
悔しい。
私だって、小学生のお姉さんなのに。
あかりがいなきゃ、京子を笑わせることもできないのか?
私は唇をグッと噛んだ。
12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:38:45.89 ID:cdt9ilkTo
京子を驚かせないように、やさしく京子の手を掴む。
京子は一瞬ビクリとするが、抵抗はしない。
「京子、私待つから」
私にできるかぎりの、優しい声で言う。
13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 17:39:43.99 ID:cdt9ilkTo
「あのね」
しばらくして、京子はまだ半分泣き声で喋り始めた。
「今日、クラスの子たちと、お昼休みに、お話してたの」
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