5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage saga]
2014/03/02(日) 20:35:03.65 ID:e3142qgdo
  たーだーし。 
  あたしお手製の香水なら、話は別。嗅いだ人をメロメロにしてしまうのだ。アウトオブ眼中の男が、運命の王子様のように思えたりね。 
  人はそれを惚れ薬とゆー。 
   
  さすがにこの発明をおおっぴらにするのはヤバイ。先生にも秘密にしてたけど、どこからか話が漏れたんだねー。手紙が届いたんだ。 
  その香水を売ってほしい、金に糸目は付けないって。 
  にゃーっはっはっは、もちろんこっそり会いに行っちゃいましたー。 
   
  商談先の高級レストラン。あたしの目の前で、お札が山ほど積まれていった。 
  普通の人なら、うなずいちゃうんだろうけど、あいにくあたしは匂いフェチ。人を匂いで判断するヘンタイ。 
   
  その時あたしの鼻腔をついたのは――吐き気を催す、ゲロ以下の臭い! 
   
  本能が危険信号を発して、回れ右して得意の失踪。 
  あそこで逃げなかったら、それはそれで面白いことになってたのかな? それとも、好奇心がネコを殺すことになっていたかも。 
  
  こんな体験が何度かあって、さすがにあたしもうんざりしてきた。誰かに利用されるため、実験してきたんじゃないってのに。 
  それじゃ逆に、匂いで世界を支配しちゃう? 先生の一人が大まじめに言ってた。 
 「君たちは、将来の世界を背負って立つ資質がある」 
  クラスメイトもみんなその気だった。自分の才能で、世界を変えてやるって。 
  でも私は思う存分実験して、好きな匂いをクンカクンカして、一生を過ごしたいだけ。権力なんて、別に望んでない。 
  もういいや。全部ほっぽり出して、日本に帰ってきちゃった。 
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