11: ◆HmDjqt09PA[saga]
2014/03/03(月) 00:38:35.68 ID:oBQCjzsb0
少女の目に、こちらを伺い、一瞬声をかけようとした通行人が不良に萎縮して走り去っていくのが映る。
きっと彼は、少女を助けようとしたのだろう。
でも、結局大勢の男達に敵わないと見て逃げ出した。
―――実際にここに割って入ってきたって、何かできるわけじゃないし。怪我をするだけだ。
だれだって自分が可愛い。それが普通。
見ず知らずのやつのためにそんなことをする奴がいたとしたら、そいつはただの馬鹿か―――。
「臭えんだよ。ゴミが集まるな、周りの迷惑だ」
不良達は知らなかった。
彼らが取り囲んでいる少女はレベル3なんてちゃちなものではなく、彼らが100人束になったところで敵わないほど強大な力を有している超能力者(レベル5)だということを。
そして行動を誤ってしまった。
決してこの道で、『彼』の目にとまるような行動をしてはならない。
この道は、裏の世界で噂される正体不明の無能力者、上条当麻の通学路であるからだ。
夕方の第七学区は、とある路上。
ここに因縁の出会いが果たされた。
片や、七人しかいない超能力者の第三位。お嬢様とは名ばかりのきかん坊。
片や、裏の世界に轟く存在すらも疑わしい正体不明、最強最悪の無能力者。
少女は、突然割って入ってきた少年に興味の眼差しを向け、少年は目の前にたむろする男たちを、ゴミを見るかのような目で睨みつける。
二人の出会いは、なんともすれ違ったものであった。
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