過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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515:坂本圭助 ◆ENoaiFO/XE[saga]
2015/11/07(土) 00:25:39.54 ID:tsBge7U40
「少佐」

少佐の下へと駆け寄ると、私は声をかけた。
振り返った少佐は一瞬泣きそうな表情を浮かべるものの、部下の前で醜態をさらすことを良しとしなかったのか、すぐにいつものような凛とした表情へと変わる。

「……土方…………見ていたのか」
「…………はい。大和艦橋にて」

何を、という目的語はいまさら不要であろう。
私の反応に少佐は一瞬動揺したような表情を見せる。

「そうか……何とも無様なところを見せてしまったな」
「いえ、坂本さんは……」
「いよいよ私もお役御免かな……老兵は死なず、ただ消え去るのみ、か。寂しい話だが、仕方ない」

私の言葉を遮るようにそう呟くと、少佐は私から目をそらし、ネウロイの巣に突撃していく大和の後姿に視線を送る。
少佐の顔が私の視界から消えるその一瞬前に少佐が見せた表情。
私はその表情を見た時背中に恐れにも似た悪寒が走った。
今までどんなに困難な状況でも、たとえ勝利への道が限りなく遠くても、決してあきらめることなく、皆を励まし、奮い立たせてきた少佐が――――


私が今まで一度も見たことのない感情――諦め――の表情を浮かべていた。


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