過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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568:坂本圭助 ◆ENoaiFO/XE[saga]
2016/03/08(火) 22:02:56.91 ID:rIMEs9Zt0
「坂本さああああああああん!!」

腹の底から息を吐き出すようにして名前を叫ぶ。
すれ違う乗組員たちが何事かと振り返るが、私の目には入ってこない。
天城の広い飛行甲板に立つと、空を覆い尽くす勢いでこちらに迫ってくる小型ネウロイ、そしてその向こうに浮かぶ大きな赤いコアがはっきりと見えた。

―――あそこに、坂本さんが。

舷側より身を乗り出さんばかりにして前方へと視線を送る。
豆粒ほどにしか見えないがそれでもヴェネツィア上空に巨大なコアが浮かんでいるのが見えた。

―――また、私は。

何もできない。
残されたわずかな魔力を振り絞るように戦い、傷ついてボロボロになりつつ戦っているあの方のために。
掴んだ舷側の手すりを、握りつぶさんとする勢いで強く握る。
ふと飛行甲板の方へと一瞬目を転じれば、ネウロイの急な復活に格納が間に合わなかったのか甲板上でエンジンをかけたまま待機している戦闘機が目に入った。

あれに乗って、あるいは……

一歩を踏み出しかけて思いとどまる。
飛行機の操縦の仕方など習ったこともない。
よしんば何とか動かせたとしても、足手まといが一人増えるだけだ。

「くそっ!」

小さくつぶやく。


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