過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その3【土方×もっさん】
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589:坂本圭助 ◆ENoaiFO/XE[saga]
2016/04/16(土) 03:20:55.54 ID:iKzq+A+X0
ドアを入ると、医務室独特の消毒液の匂いが鼻をつく。
軍艦の医務室と言うだけあって室内はそんなに広くなく、診察のための椅子と机が一組、そしてベッドが一台あるのみであった。
そしてその、部屋の中唯一のベッド。
そのベッドに坂本少佐の姿はあった。
魔眼の能力を封印するいつもの眼帯は取り除かれており、露わになったその両目は閉じられている。
いつもの、こちらが自然と背筋を伸ばしてしまうような威厳ある表情とは違う、穏やかな寝顔。
失礼なこととは思いながらも、その寝顔から数秒の間視線が外せない。
小さくかぶりを振り、頭に浮かんだ邪な考えを追い出した。
ベッドの脇に椅子を運んできて座る。

「…………少佐、いえ、坂本さん」

私の呼びかけにも、当然のことながら反応はない。
私は構わずに言葉を続ける。

「全く貴女は…………いつも周りに心配ばかりかけて、本当に困った方です」

そう、この方の従兵になってからというもの、本当に心配をかけられ続けた記憶しかない。
軍令本部からの再三の地上勤務要請をことごとく突っぱね、烈風丸などという物騒な代物まで持ち出して前線勤務にこだわり続ける。
そして実際の戦闘では周りの心配をよそに、いつも指揮官先頭とばかりにいの一番にネウロイに吶喊していかれる。

「その結果が……この状況です。ご自分の魔力などお構いなしに大和に乗り込むことを志願され、そして挙句の果てにネウロイに魔力を利用される」

ミーナ中佐にはああ言ったが、少佐が大和に向けて出撃するのを殴ってでも止めたいと思ったのは誰よりも自分自身であった。
そして、あの巨大なコアに磔られた少佐の姿。
あれを見かけた瞬間、私はすべての理性がはじけ飛ぶ想いであった。



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