過去ログ - P「アイマスミステリー劇場」
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1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/03/04(火) 22:36:26.67 ID:Y3iKmSnd0

「すっごーい! プロデューサーさん、パーティーですよ、パーティー!」

 天海春香が興奮した様子で声をあげた。彼女は今広々とした、とあるホテルのワンフロアに足を踏み入れている。

「こらこらそうはしゃぐなよ、ただパーティーに来ただけじゃないんだからな」

 後から続いて入ってきた俺は楽しげな春香に釘を刺した。

「それにパーティーっつっても、まだ始まってもいない」

 実際会場はまだ準備段階だった。方々でフロアマネージャーと思しき人と、係員と思しき人々とでの打ち合わせが行われている。

「それでもこういうの初めてなんですから、やっぱりワクワクしちゃいますよ〜! 他の皆だってそうだと思いますよ?」
「うん、まあ、そりゃそうみたいだが」

 春香にこう言い返されては、俺としてもなんとも反論しようがない。実際、他の765のアイドルたちは、もう俺の目の届かないところに散ってしまっている。目が届かないと言っても、このホテル内のどこかにいるのは判っているので、その点については心配していなかったが。

「春香とハニーばっかり話しててズルいの。ミキともお話しよーよ、ハニー?」

 俺の後ろから、星井美希が声をかけてきた。彼女が現れると思っていなかった俺は、少し面食らいながら、彼女のほうを振り向く。

「なんだ美希。お前自分の部屋に行ってたんじゃなかったのか?」
「退屈だから降りてきたの。同じ部屋の亜美も真美もどっか行っちゃったし。あんまり暇だから、ここならハニーがいると思って降りてきたの」

 相変わらずだな、と俺は思った。それは美希のことと、彼女の言う双海亜美と真美のこと両方だった。

「とにかく」

 俺は春香と美希両方に対して言った。

「今は二人とも自分の部屋に戻ってろ。ここにいてもフロアスタッフさんたちの迷惑になるだけだし、本来ならまだここにいちゃいけないんだからな」
「ちぇっ、わかりましたよーう」
「むー。ハニーは厳しいの」

 アイドル二人はそう言って、同時にパーティー会場から引き返す。そのとき、

「あーっとっとと……」

 春香が転びそうになった。俺は、またか、と思いながら倒れ込んでくる彼女を咄嗟に支えた。

「す、すいませんプロデューサーさん……」

 春香は顔を赤らめながら、こちらの顔を見上げて言った。身体は俺に密着したままだ。

「まったく、やっぱりお前は相変わらずだな」
「え、やっぱりって」
「いや、とにかく気をつけろよ」

 はーい、と返辞して彼女は俺から離れ、美希の方へと駆け寄っていく。俺には、春香の後姿と美希の膨れっ面が同時に見えた。


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