109: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/15(日) 07:41:32.56 ID:qkpDdz6hO
そう言って、ポケットから飛び出て揺れるティーニーのストラップをなでる。
乃莉ちゃんはちょっと不思議そうな面持ちで、でも真剣な表情で、それを見つめていた。
なずな「ひだまり荘で皆と出会って」
110: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/15(日) 07:45:25.24 ID:qkpDdz6hO
今の私には、乃莉ちゃんと離れることが幸せだなんて思えないけれど、
それでも変わっていこうとしている私を、このクローバーたちが覚えていてくれるのだとしたら。
なずな「……ありがと、乃莉ちゃん」
111: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/15(日) 07:46:46.60 ID:qkpDdz6hO
もう一度、柔らかな風が吹いた。
ふと乃莉ちゃんが話したシロツメクサの名前の由来を思い出す。
引っ越しの荷物の隙間にクローバーが詰められているイメージは、ちょっと現実離れしているけれど、
その中に四葉のクローバーがあるとしたら、それは幸運のしるしと一緒に引っ越しをしているみたい。
私の未来の幸運をクローバーたちが願ってくれているような、そんな気がした。
112: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/19(木) 13:28:48.10 ID:+Gjm7URQ0
2月に入り、沙英さんとヒロさんの受験が始まった。
ゆのさんから、先輩方の受験の時のお弁当は持ち回りで作ってあげよう、と提案されて、
そのときは深く考えずに賛成してしまったけど、よくよく考えると私に作れるものはあまりない。
ゆのさんか乃莉ちゃんに手伝ってもらおうかとも思ったけれど、でも。
私だって、このひと月、頑張ってきたんだから。
113: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/19(木) 13:35:28.10 ID:+Gjm7URQ0
乃莉「なんだ、なずながお弁当作る当番なのは明後日なの?」
なずな「うん、だからそれまでに練習するの」
乃莉「で、なずなが全部食べるの?」
114: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/21(土) 22:15:50.91 ID:Hp86NTjSO
乃莉「これ全部、なずなが作ったの?」
夕飯の時間になり私の部屋に来た乃莉ちゃんは、食卓を見るなりそう言った。
お膳の上にはトンカツとサラダ、ひじきの煮物、それとおみそ汁が並んでいる。
115: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/21(土) 22:23:35.56 ID:Hp86NTjSO
乃莉「いただきまーす」
なずな「はーい、召し上がれ♪」
乃莉「……うん、美味しいんじゃないかな?」
116: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/21(土) 22:44:36.47 ID:Hp86NTjSO
なずな「ありがと、乃莉ちゃん」
乃莉「私は感じたままを言っただけだけど?」
なずな「そうじゃなくって」
117: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/21(土) 22:46:25.19 ID:Hp86NTjSO
夕ご飯を食べ終わって、2人で洗い物を終えてから、私はお風呂を入れた。
その短い時間に、乃莉ちゃんは携帯でフライの上手な揚げ方を調べてくれていた。
乃莉「なずなー、トンカツの揚げ方なんだけどさ」
118: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/06/21(土) 22:50:34.66 ID:Hp86NTjSO
2日後 昼
受験会場
ヒロ「ふぅー」
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