131: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 19:48:38.29 ID:nHMkSqbq0
ゆの「……言ってたよね、宮ちゃんが」
ゆの「懐かしい風景を閉じ込めておく……だっけ」
132: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 19:51:21.88 ID:nHMkSqbq0
ゆの「私の勘違いだったらごめんね。でも……」
ゆの「なんだかなずなちゃん、辛そうだな、って。今さら言ってもしょうがないんだけど」
ゆの「もしかして、ひだまり荘を出たくないんじゃないかな、って……」
133: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 20:16:21.38 ID:nHMkSqbq0
ゆの「でも、私、思うんだ」
ゆの「なずなちゃんにとっても、私たちにとっても、寂しいことだけれど」
ゆの「きっと何かが変わっちゃうけど……」
134: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 21:12:35.45 ID:nHMkSqbq0
なずな「……私、内気で得意なこともなくて、何もできない自分が嫌で……」
なずな「だから、ほんのちょっとでも変わりたいと思ったんです」
なずな「お料理とか、勉強とか、そんなことでもいいから、ちょっとでもできるようになれば、って……」
135: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 21:17:44.10 ID:nHMkSqbq0
ゆの「……多分、だけどね」
なずな「……?」
ゆの「宮ちゃんが、ここから見える風景を描いてた理由」
136: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 21:28:25.75 ID:nHMkSqbq0
ゆの「今の風景を絵に閉じ込めておけば、いつでもここに戻ってこれるから」
ゆの「そうすれば、きっとどこへでも行けるんだよ」
ゆの「どんなに変わっても、平気でいられると思うんだ」
137: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 21:32:19.81 ID:nHMkSqbq0
なずな「懐かしい風景を閉じ込める……」
ゆの「私は、なずなちゃんのことも、なずなちゃんのいるひだまり荘も、大好きだから」
ゆの「この1年は……ひだまり荘で、6人で過ごしたこの1年は大切な思い出になると思う」
138: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 21:37:39.86 ID:nHMkSqbq0
ふと、足元に鉛筆が転がっているのが見えた。
拾い上げてみると、美術科の人が使っているような鉛筆で、手で削ったような跡がある。
よほど使い込んであるのか、だいぶ短くなってしまっている。それでも削りたてのような真新しい木の香りがした。
その緑色の鉛筆を立てて握り、腕をまっすぐに伸ばす。
片目を閉じて、鉛筆の先をあのビルに重ねる。
139: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/12(土) 21:38:11.01 ID:nHMkSqbq0
なずな「ゆのさん」
なずな「私、やっぱり寂しいです」
なずな「でも……」
140: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/26(土) 10:16:25.28 ID:h579cwCA0
私たちが屋上を下りてゆのさんの部屋に戻ると、ほどなくして乃莉ちゃんと宮子さんが買い物から帰ってきた。
ゆのさんはお料理を始め、私たち3人はそのままゆのさんの部屋でだらだらお喋りしたり、お菓子を食べたり。
一応、ゆのさんに「お手伝いしましょうか?」と聞いてみたけれど、
「なずなちゃんは引っ越しの準備で疲れてるだろうし、ゆっくりしてて」と言われてしまった。
141: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/07/26(土) 10:17:14.10 ID:h579cwCA0
なずな「沙英さん、ヒロさん!?」
ヒロ「あ、なずなちゃん、もうこっちの部屋来てたのね」
なずな「わざわざ来てくれたんですか?」
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