6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:39:36.44 ID:TvOaOW1R0
こくり、と体が揺れて、目を覚まします。
うたた寝をしていたのかなと気付いて、もう一度、しっかりと竿を握り直します。
7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:41:27.28 ID:TvOaOW1R0
「……あれ」
けれども、どんなに力を込めても竿は動きません。
8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:42:29.42 ID:TvOaOW1R0
川の冷たい感触が、頬を撫でました。
跳ねた水飛沫。ふと気付けば、私は両手を離していて。
9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:43:47.17 ID:TvOaOW1R0
「……あの。ありがとう、ございます」
どういたしまして。
10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:44:54.04 ID:TvOaOW1R0
竿を川から文字通り引き上げて、持ってきていたタオルで濡れた部分を拭き取って。
あとはお日様に当てて乾かしておきます。
11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:45:52.33 ID:TvOaOW1R0
「……芸能事務所の社長に、拾われてな」
就職活動で都会に出ていた時に、突然声をかけられて。
12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:46:49.56 ID:TvOaOW1R0
「……どうした?」
ふと我に帰ります。
13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:48:31.62 ID:TvOaOW1R0
それから二人で並んで糸を垂らしながら、ずっとお話をしていました。
私の話。彼の話。この町の話。
14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:49:27.81 ID:TvOaOW1R0
今度は、私でも釣り上げられるような大きさの魚でした。
「どうですか?」
15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/08(土) 19:50:51.66 ID:TvOaOW1R0
「……ひとつ、いいか?」
はい、と頷いたつもりでした。けれども、声は出ませんでした。
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