過去ログ - さやか「もう少しだけ、この優しい夢を…」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/03/11(火) 00:06:10.09 ID:r4uG+QkaO
「ね、杏子」
教室。自分の席に鞄を置くと、隣の席で朝からお菓子のパッケージを開けようとしている杏子の名前を呼んだ。
「ん?」
相変わらず手元のお菓子に視線を置いたまま、彼女は少しだけ意識をこちらに向けた。
夕べの事もあってか、彼女は少し眠そうに欠伸を噛みしめながら問いかけてくる。
「何だよ、さやか?」
やっとこちら向いた杏子の顔は、いつもと変わらない無邪気そうな顔で…
その顔を見たら、何故か何も言えなくなってしまう自分が、ここにいた。
“「この世界が、この記憶が、本当は誰かに作られた、偽物であったらどうする?」”
聞きたい事はたくさんあった。
目の前の少女は、何も言わない自分に対して痺れを切らしてか、怪訝そうに眉間に皺を寄せていた。
その顔は、どこか寂しそうな…そんな風に見えた。
「…この世界は好き?」
それが、やっと喉から出た言葉だった。
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