165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/27(日) 17:44:38.11 ID:nZNVpcJh0
みくは、あの公園で、幸子に言った。
『たまたま通りがかった』
なるほど、確かにそれは真実なのだろう。
だけどそれは、『たまたま東屋でまゆと幸子が居るところを通りがかった』というのが本質なのだ。
あの公園は、レッスン終わりにたまたま通りがかる様なところではない。
もしくは気紛れで、こずえが公園に行きたいと言ったのかもしれない。だけど、こずはえあの時、空腹だと言った。
そんな彼女が、わざわざ公園に行きたがるのか。
あれは、誰の気紛れだったのか?
今日、この女子会において、皆、吐く言葉に、出した想いに、嘘偽りは間違いなくなかった。
だけど一人だけ、虚偽は言わず、ただ隠し通そうとした少女が、この場に居たのだ。
(あとは、頼みますよ)
幸子は心中でそう呟いた。
ここまで来たら、やはり頼むしかない。
彼女たちの、頼れない、だけどどこまでも真っ直ぐな、あの少女に。
静かに、音を立てず、幸子は扉を閉めた。
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