過去ログ - モバP「ブラ、透けてるぞ」
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169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/28(月) 18:32:29.62 ID:S3TlNWjd0



 09:キャットウォーク・クロニクル



「にゃあ」

 幸子を見送った後、みくは一つ、鳴いた。
 寂しげに、悲しげに、虚しく。


 ――あの子は、恐らく、気づいている。


 普段の尊大な態度とは裏腹に、幸子はずっと頭の回転が早い。
 らしくなく、ボロ出してしまった。
 そこまでの状況で、幸子ならば、分かっていてもおかしくはない。
 だけど幸子は、無闇に人の懐に飛び込みはしない。
 みくと同じように、漠然と人の気持ちに入り込んだりは、しないのだ。

 ――そう。

 みくはそうしているのだ。
 踏み込まない。立ち入らない。危ないものには関わらない。
 目に見える爆弾は、みくは絶対に踏まない。


 ――それが、自分の心中にあっても、だ。


 分かっている。分かっていた。
 これは、所詮逃げでしかないのだ。





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