187:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/23(日) 06:23:16.98 ID:/rkIDn0Q0
ろり婆「それは遠い遠い昔のことじゃ。
人間と、魔族、この世界には二つの種族が生きておった。
魔族は人間を遥かに凌ぐ魔力をもち、とても歳をとるのが遅かった。
それは人間からすればとてもよくないことじゃった。
そう、言うまでもない。
人間は力で勝ることもなく、繁殖力も劣るからじゃ。
そこで一部の人間達は、沢山の魔族を犠牲にして勇者を造った。
幸いにも平和だったその世界は勇者の誕生により、一夜にして地獄へと変わることになる。
勇者は、まるで玩具で遊ぶ子供のように、次々と魔族を虐殺したのじゃ。
そしてそれを合図に、人間達の進軍も始まった。
うむ。もちろん魔族も黙ってはおらぬ。
それに対して魔族は、最も魔力の強い者を魔王とし、魔王を中心にして、勇者と人間達に立ち向かった。
戦いは次第に激しさを増し、多くの命が、多くの心が失われた。
そして一年が経つ頃、最後は魔王と勇者による一騎討ちが相討ちという結果に終わり、ようやく魔族と人間達による戦争は終わりを迎えたのじゃった。
その時世界は半分を失い、魔族は絶滅の危機に瀕しておったがのう…」
勇者「俺が習った歴史では、『魔王によって世界が滅びかけた時、一人の勇者が救ってくれた』だったぞ」
ろり婆「それも世界平和維持の為じゃ。こんな話聞いた後に旅にでても、あんまし魔王倒す気ならんじゃろ。それに、人間が悪い、魔族が悪い。うちにそう決めつけるつもりはなくとも、必ずどちらか一方が悪いとこだわり、争う人達がでてくる。それが元でまた戦争になるやもしれんからの」
勇者「もしこの世界に魔族が生き残ってたらそれこそ」
ろり婆「安心せい。魔族はほとんど生き残ってはおらん。生きとるものは皆事情を理解し、平和を望んでくれとるよ」
勇者「でも、話を聞くかぎり、最初に喧嘩ふっかけたのは人間達だろ?」
ろり婆「まぁ、続きを聞け、お前さん。
こほん。その休戦の時、魔族達は新しい魔王を決め、すぐに人間達を襲った。
なぜなら魔族達は知っておったのじゃ。勇者の量産計画をな。
こうして次に、魔族が人間達を大量に虐殺することになった」
勇者「人間が絶対悪じゃねーか!」
ろり婆「黙って聞け。それはな、二人の魔族と人間によって全て仕組まれたことじゃったんじゃ。
その二人は最終的に世界を自分達のものとし、新しく世界を作り変えようとしておった。
じゃが、それに気付いた一人の勇者が王様に密告し、自ら魔王の元へ向かい伝えた。
その後、魔王と勇者は子供を作り、その子を平和の証として、戦争を再び終結させたのじゃ。
子供に勇者の魔力を喰らう魔法を与えてな」
勇者「まさか…」
ろり婆「そう、うちじゃ」
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